気ままな旅

マイカーでの気ままな旅で、束縛された予定や時間にとらわれない、自由奔放な行動をとる旅の紹介です。

日本三大渓谷美の寒霞渓・瀬戸内海に浮かぶ小豆島の名勝

2013-08-26 21:56:51 | 思い出

 

日本三大渓谷美といわれる瀬戸内海国立公園の小豆島にある寒霞渓(かんかけい)、

垂直に聳り立つ岩壁の横を行き交うロープウエーが渓谷情緒を高めてくれる。

 

今回は2013年5月に旅行した瀬戸内海に浮かぶ小豆島(しょうどしま)寒霞渓(かんかけい)について触れておきたい。

 前回の投稿では、神戸から小豆島への船旅やオリーブについて、紹介さしていただいた。 

今回は小豆島滞在の2日目、午後からの、寒霞渓への旅の紹介である。

2013年5月4日(土) 五月晴れの快晴の天気が続いている。 

今朝は道の駅 「小豆島オリーブ公園」 で車中泊した後、オリーブ園やオリーブの原木などを見学して過ごしていた。 

オリーブについての見学や学習を終えた後、オリーブ記念館内にあるレストランで昼食を摂った。 

レストランでは、魚介類や地元の野菜などを使った地中海料理が楽しめる。

私たちは、オリーブオイルを楽しめるが、種類の異なるパスタをそれぞれに注文した。

あっさりとした味で、地中海料理の風味が味わえる料理であった。

 食後のコーヒーもあっさりとした美味しいコーヒーである。

 食事を終えるとすぐに愛車を運転、紅葉の名所として、日本三大渓谷美として知られる 

「瀬戸内海国立公園 寒霞渓(かんかけい)」 方面に向かって行く。

※ 日本三大渓谷美(三大奇景・三大奇勝) = 耶馬渓(大分県中津市)・妙義山(群馬県)・寒霞渓(香川県小豆島)

 私たちはオリーブ公園からR436号に入り、そこからブルーラインと呼ばれる道路を寒霞渓方面に上って行く。 

 当初は、ロープウエーからの景色も素晴らしいことから、ロープウエーで山頂駅に向かう! 

 と考えていたが、寒霞渓を見学したあとのことを考えると、 愛車の方が便利である。と、判断して 

愛車でブルーラインを走行、寒霞渓を目指すことにした。

                  寒霞渓独特の聳り立つ奇岩が、新緑の山々と共に美しい独特の風景を形成している。

 

 少し走行すると、今までと全く違った光景の山容が目に入ってくる。

 鮮やかな緑の中に、雨水によって数万年にわたって浸食された奇岩が、鋭い鋭角のように聳り立ち、それが、幾つもの峰々を形成し、寒霞渓独特の風景を醸し出して美しさを見せている。

 愛車はさらに、ブルーラインの曲がりくねった道路をスムーズに走行し、高度をぐんぐん上げて行く。

 車窓からの眺望も抜群で、リアス式の海岸や広々とした瀬戸内海の風景が、私たちを楽しませてくれる。 

 さらに曲がりくねった道路を走行すると、高度も上がり、眼下には、瀬戸内海や、小豆島の街並み、内海湾の素晴らしい眺望が目に入ってくる。

 少し霞んで見えているのが残念であるが、青い空が広がる秋には、もっと美しい景色を見せてくれているに違いない。

 ブルーラインからの内海湾と内海町の街並み、その向こうには瀬戸内海が広がっている。

 

車窓からの素晴らしい眺望を楽しみながらゆっくりと走行していると、いつの間にか瀬戸内海国立公園 「寒霞渓」 駐車場に到着する。 

駐車場近辺には、ロープウエーの山頂駅やレストランなどの施設もあって、多くの観光客で賑わっている。

私たちも、愛車を停めると、すぐに寒霞渓の眺望が楽しめる展望台の方に向かって行く。

        寒霞渓ロープウエー山頂駅周辺の光景、正面には山頂駅、周辺にはレストラン・駐車場・展望台などが整備されている。

寒霞渓山頂駅前にある駐車場からの三笠山671m、数人の方が見えている。

星ケ城山(ほしがじょうさん)は、小豆島中央東部にある標高817m(東峰)の山で小豆島最高峰である。 

星ケ城山は、西峰と東峰からなり、西峰にある山が三笠山(寒霞渓)である。

              多くの人たちが訪れ、展望台からの眺望を楽しんでいる。 ロープウエー山頂駅近くにある展望台。

山頂駅近くの展望台からの風景、眼下にある内海町と内海湾、その奥に広がっている瀬戸内海の光景

日本三大渓谷美の寒霞渓を代表するような奇岩の岩山と、緑の渓谷を行きかうロープウエーの風景。

山頂駅からの寒霞渓の渓谷美を代表するような風景、奇岩で出来た緑の渓谷を這うように行きかうロープウエーの光景

展望台で、恐る恐る眼下の渓谷を覗き込む少年と、幾層にも連なる、鋭角に尖がったの岩尾根が寒霞渓の独特な渓谷美を見せている。

展望台からの光景、風雨によって浸食された奇岩が垂直に聳り立つ渓谷の中で、新緑が広がり、所々にある岩山との一層のコントラストを高めている。

上部写真と同じ場所から撮影した展望台からの光景、浸食された岩壁と新緑の渓谷が、四季折々に美しい景色を見せてくれそうである。

寒霞渓ロープウエー山頂駅近くに第一展望台や第二展望台が、少し離れて鷹取展望台がある。 

これらの展望台は、駐車場から徒歩で行ける範囲であるが、愛車で移動した方が便利な四望頂展望台がある。 

私たちは1時間近く、山頂駅近くでの展望台や施設で愛車をとめ、写真撮影や見学などをして楽しんだ後、四望頂展望台へ移動する。

東屋のある四望頂展望台、その上空にかすかに見えるのが鷹取展望台、四望頂展望台からの渓谷美も一味違った味わいがある。

奇岩で出来た岩山と新緑が渓谷美あふれる光景を醸し出し、そんな中を行き交うロープウエーが、一層、山岳情緒を高めている。

展望台から・・・どっしりと聳り立つ玉筍峰(ぎょくじゅんほう)、眼下の内海湾や街並みの光景と共に、力強い風景を見せている。

四望頂から見る玉筍峰、秋の紅葉の美しさでも有名な寒霞渓、この緑が色づいた時、どんな景色を見せてくれるのか! 想像すると自然と楽しくなってくる。

数万年の年月による風雨で浸食された奇岩や岩壁と共に、四季それぞれに色彩を放つ樹木が、渓谷美を一層引き立て、美しさと感動を与えてくれる。

風雨の浸食により出来た聳え立つ奇岩と渓谷、幾重にも重なる岩尾根の鋭い岩峰、

それに生きづく樹木が岩峰との調和を図り、渓谷の一層の美しさを形成している。 

四季それぞれに変化する渓谷美の色彩が、季節ごとに訪れる人たちを虜にしてくれるような風景である。

奇岩の岩峰上に、ひょっこり乗っている烏帽子岩、左右の聳り立つ岩峰の美しい光景と共に、訪れた人たちの心に深く刻み込むような風景である。

烏帽子岩と後方の内海湾、その後方の山の窪みには、「二十四の瞳」などの撮影で有名な映画村がある。 

烏帽子岩は、下で支える岩底よりも、上に乗っかっている岩の方が大きく、しかも、斜めに傾いている。 この状態で、どうして岩が落ちないのか! 不思議な光景である。

四望頂からの寒霞渓の素晴らしい光景を堪能した後、私たちは愛車に戻り、さらに先にある美しの原高原方面に向かって行く。

 

ロープウエー周辺に広がる奇岩の岩尾根の渓谷と、新緑におおわれたの寒霞渓の見事な光景

美しの原高原・四方指展望台からの眺望を楽しむ人たち、 後方の小豆島最高峰、星ケ城山817mの光景。

山の中腹に白い建物がロープウエー山頂駅で、寒霞渓の美しい光景が一望できる。 

また、この展望台は、朝日が美しいことでも知られ、空に、海に、光の帯が広がっていく朝日の美しさが有名である。

この美しの原高原は、四季折々の花々が咲き乱れることでも有名な高原である。

標高777mにある展望台は、四方を指しても遮るものがないことから、四方指(しほうざし)と呼ばれ、

天気が良ければ瀬戸大橋や、淡路島と四国に架かる大鳴門橋などの大パノラマが一望できる。

 

美しの原高原・四方指展望台からの眺望を楽しんだ後、私たちは小豆島ブルーラインを、銚子渓、お猿の国方面に向かって行く。

ほどなくして銚子渓駐車場に到着するが、時間も5時を廻っていることから、少し停車しただけで、すぐに土庄(とのしょう)方面に向かって行く。

土庄に向かう途中の車窓からの風景、 深い緑に覆われた山の中腹には、城壁のような岩壁もつ山が現れてくる。

きれいに整備されたブルーラインからの車窓を楽しみながら、しばらく走行していると、今度は、目の前に大きな白い観音様が見えてくる。

突然現れた大観音様  大本山 小豆島大観音仏歯寺(ぶっしじ)(別名 しあわせ観音)である。 

太陽も西に傾き、逆光での写真撮影はなかなか難しい。

顔がはっきりと見えないのが残念であるが、観音様らしい優しく、美しい顔をした観音像である。

観音様の道路を、そのまま通り過ぎ、土庄方面に向かって行く。

土庄(とのしょう)町は、明治以降、島内行政や銀行、商店が集中し、交通面においても、小豆島最大の港として発展してきた街である。

また、土庄町には、全長2.5km、最狭幅9.93mの世界一狭い海峡があり、ギネスブックに認定されている。

 

寒霞渓からの帰り道、土庄町に立ち寄った後、私たちは今夜の車中泊先である、道の駅「オリーブ公園」 方面に向かって行く。

今日も、昨夜と同じように、まず、道の駅から2km先に行った所あるスーパーで夕食の買い物を済ませて、サン・オリーブ温泉(天然温泉)で入浴する。

この温泉からの素晴らしい眺望を楽しみながらの入浴は、ほんとに心や身体が癒される素晴らしい温泉である。

入浴後は、近くの道の駅に戻って、テーブルや椅子を愛車から取り出し、妻と二人、夜空を眺めながらの夕食を摂る。

海岸沿いの道の駅の一角で、さざ波の音を聞きながら、星空を眺め、妻と二人で杯をかたむけながら摂る夕食は、

何度経験しても美味しく、全てを忘れさしてくれ、明日への英気を養うことが出来るひと時である。

明日も小豆島の映画村やお寺などの観光を予定している。

ほどなくして夕食を終え、愛車内に入って、特性ベットに横たわると、

直ぐに深い眠りに入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


四国の名峰 瓶ヶ森への登山と周辺の山々

2013-08-21 21:46:45 | 

 2013年8月8日(木) 四国の主峰石鎚山(標高1982m)の東側にある、瓶ヶ森(かめがもり=標高1896m)に登るため、午後6時30分頃に、南大阪の自宅を妻と二人で愛車エステイマで出発する。 

 阪神高速湾岸線から神戸線を走行し、第二神明道路に入って行く。 

 この道路は国道2号線の加古川バイパスと姫路バイパスに直結、バイパス終了地点からは、一般道を3km程走ると山陽道自動車道竜野ICがある。  

 私は四国へ行く時には、このルートをよく利用する。  通常の高速道路を走るよりも経済的で、時間もさほど変わらないからである。

 山陽道竜野ICからは、岡山広島方面の倉敷JCTまで走行し、四国方面の瀬戸中央自動車道入って行く。

 瀬戸中央道をしばらく走行すると、トンネルがあり、それを貫けると、瀬戸内海に架かった大きな架橋があり、そこからは瀬戸内海の美しい夜景を楽しむことができる。  

 瀬戸大橋に入って直ぐに、瀬戸内海の真ん中にある、与島(よしま)PAの案内板が見えてくる。  それに従って与島PA内に入って行く。

 今夜は、この島にあるPA内で車中泊して、明朝に目的地の瓶ヶ森登山を計画している。  与島PAへの到着時間は、午後11時頃であった。 

 与島PAに到着すると、しばらく PA内の施設でのんびりと過ごした後、愛車に戻り、車中泊の準備に取り掛かる。

 愛車には、出発前から二人用の特製ベットを用意している。 

 睡眠中は、周りの方へ騒音などの迷惑行為を考へて、エンジンはOFFにすることにしている。 

 そのために、エアコンを使用することはできず、持参しているポータブルバッテリーから電源をとり、扇風機を一晩中回しながら睡眠をとる。

 猛暑の続く日本列島の中でも、瀬戸内海のど真ん中にある島の気温は涼しく、一台の扇風機でも十分に睡眠をとることが出来た。

                               車中泊をしていた瀬戸中央自動車道の与島PA

  8月9日(金) 朝6時頃に目覚め、車外にでると、さわやかな風が頬を横切っていく。

 瀬戸内海の小島にできたPAでの心地よい朝である。 今日も天気は良さそうで、雨の心配は全くなさそうであった。

 早速、洗面を済まして、出発の準備を整えると、午前7時頃には与島PAを出発する。

 愛車は、瀬戸中央道から高松道にはいり、途中から松山道を走行して行く。 

 早い時間帯にも関わらず、夏休みの影響か、高速道路を走行する車は、以前より多いように感じる。 

 1時間ほど走行すると伊予西条ICに到着する。 

 伊予西条ICから、一般道に入り、給油やコンビニで昼食の買い物などを済まして、国道194号を高知県の伊野方面に向かって行く。 

 20kmほど緩やかな坂道を走行して行くと寒風山トンネルが見えてくる。 

 このトンネルは、高知県と愛媛県の県境にある寒風山(1763m)の下を貫くトンネルであることから、寒風山トンネルと名付けられ、トンネルの延長も5432mと四国最長のトンネルである。 

 無料で通行できる一般道路トンネルでは、日本一の長さを誇っている。

国道194号の寒風山トンネル(5432m)をぬけると、Uターンをして瓶ヶ森(かめがもり)方面の林道に入って行く。

この瓶ヶ森林道は、吉野川源流域や、高知県と愛媛県の県境に造られた尾根沿い林道で、地元ではUFOライン、町道瓶ヶ森線とも呼ばれている。

寒風山トンネルから石鎚スカイラインの終点までの、延長27kmの舗装林道である。

この林道は、標高も1100m~1700m地点を走り、 石鎚山や伊予富士など四国山脈の雄大な眺望が楽しめる山岳道路でもある。

 (冬季期間12月~4月上旬は閉鎖)

寒風山トンネル(5432m)を貫けて、すぐに林道に入り、瓶ヶ森方面に向かって行く。

舗装された林道沿いには、背の高い木立が林立し、太陽光線を遮っている。 

高度を上げながらゆっくりと愛車を運転し走行して行くと、突然、四国山地の雄大な稜線をもつ山容が目に入ってくる。

瓶ヶ森林道からの寒風山(1763m)と笹ヶ峰(1860m)の光景。

写真左の寒風山登山には、旧寒風山トンネル出口付近の駐車場(1120m)に登山口があり、一般の方なら2時間ほどで寒風山に登れる。 

健脚の方なら、さらに2時間ほどで笹ヶ峰に登れる。

 両峯とも四国山地や瀬戸内海などの眺望が素晴らしい山である。

 寒風山の名前も、強い瀬戸内海からの季節風が、旧寒風トンネルの上にある峠を通り、傍にある寒風山にあたる。 

冬季には北西風をまともに受けることから、この名前がつけられたと伝えられている。

ダイナミックな山容の寒風山(1763m)、その奥にはなだらかな山容の笹ヶ峰(1860m)がある。

林道を走行しながら寒風山や笹ヶ峰のなど、眺望の美しい個所で愛車をとめ、撮影しながらゆっくりと走行して行く。

林道をさらに走行して行く。 四国山地の幾重にも重なる峰々の美しい光景が続いている。

 すると、眼前に、この様な岩肌をそのままくり貫いたトンネルが見えてくる。

さらに、そそり立つ岩壁の中に出来た林道を走行して行くと、目の前に富士山のような形状をした山容が現れてくる。 

伊予富士1756mである。

林道からの伊予富士(1756m)。 

日本全国にある郷土富士の多くが独立峰で、富士山の山容に似ていることから名づけられているが、

伊予富士は、石鎚連峯の一峯に過ぎない山である。

さらに伊予富士の眺望を楽しみながら走行して行くと、今度は、こんもりとした丘のような稜線をもつ山容が現れてくる。 

これが、東黒森(1735m)である。

車窓からは四国山地の尾根に出来た素晴らしい眺望が続いている。 

全国各地に、この様な眺望の素晴らしい山岳道路が幾つもつくられている。

この四国山地に出来た林道からの眺望も、そういった道路に匹敵、味わい深い眺望が楽しめる山岳道路である。

 瓶ヶ森林道は、石鎚スカイラインの終点まで続く延長17kmの道路であるが、 接続している石鎚スカイライン延長18kmを含むと、35km程のドライブコースである。

この林道は、車窓からは四国山地の峰々が、冬季をのぞく季節毎に、趣を変え、眺望を十分に楽しめる山岳道路である。 

 ただ、瓶ヶ森林道は全舗装されているが、道幅が狭く、対向車には十分な注意が必要である。

 それにひかえ 石鎚スカイライは完全2車線で道幅も広く走行しやすいが、道路からの眺望は、瓶ヶ森林道の方が良さそうに感じる。

私たちは四国山地の美しい眺望を楽しみながら、曲がりくねった林道を、さらに走行して行く。

すると、今度は目の前に、信州のビーナスラインを思い出すような、素晴らしい光景が眼に映ってくる。

この山は、自念子ケ頭(じねんごのかしら=標高1702m)で、林道脇に登山口があり、標高差100mほどで登れる手軽な山である。

私たちは、自念子ケ頭登山口近辺にある駐車場に愛車をとめ、散策を楽しんだ後、再び、愛車を走らせて行く。

車窓からは移り変わる四国山地のダイナミックな風景が広がっている。

さらに走行すると 眼前に屋根の形をした山が見えてくる。

この山が、今回の登山予定の瓶ヶ森(かめがもり=1896m)である。 

右側が瓶ヶ森山頂の女山(めやま)、左の険しい岩壁の山が男山(おやま)である。

林道をさらに走行して行くと、この様に 「全面通行止」 の看板が見えてくる。 

これ以上愛車を進めることは出来ない。 引き返そうか! どうしょうか!

 少し迷ったが、登山口までは500~600m位と、距離的にも近く、歩行だけならば通行することは可能ではないか! 

と考え、登山準備をして出発することにした。

出発してすぐにがけ崩れによる通行止めの個所が見えてくる。 

良く見ると何とか通れそうで、上部からの小石などの落石もなく、大きな落石も安定しているようである。 

 そう判断して、妻と二人で、通れそうな箇所を見つけ、掛け声をかけながら、そろりそろりと注意しながら進んで行く。

 何んとか無事に通ることが出来た。

 このがけ崩れ個所から、5分ほど林道を進むと 瓶ヶ森登山口に到着する。

瓶ヶ森登山口の前にある休憩施設、すぐ隣にはトイレなどの施設も整備されている。

林道沿いに咲いていた花

登山口にある瓶ヶ森登山と吉野川源流の案内板

林道からの男性的な山容を見せる瓶ヶ森男山(おやま)を望む、男山の左方向には、瓶ヶ森最高峰の女山1896mがある。

瓶ヶ森頂上への距離の案内図

瓶ヶ森(かめがもり)は、四国山地西部の石鎚山脈に属する山で、日本の三百名山および四国百名山の一つに数えられている。

また、瓶ヶ森を含む石鎚山脈一帯は、石鎚国定公園に指定され、石鎚山、笹ヶ峰と共に伊予の三名山とされている。

午前11時00分 周囲を笹に覆われた石畳の瓶ヶ森への登山道を登り始める。 

瓶ヶ森への登山には二つのコースがあるが、我々は先に男山に登り、そこから瓶ヶ森頂上の女山を目指すことにした。

少し登ると上空には、瓶ヶ森男山の山頂が見え、左側には白骨林とクマザサに覆われた広々とした原野が広がっている。

その奥には幾重にも重なる山稜が独特の美しい山岳風景を醸し出し、私たちを楽しませてくれる。

さらに登って行くと、クマザサの原野に白骨林が所々にたち、その後方には西日本の主峰石鎚山(1982m)が聳え、威風を放っている。

登山口にあたる瓶ヶ森登山口駐車場と瓶ヶ森林道、その奥には、富士山のような美しい形状の二つの山が聳え立ち、独特の山岳風景を醸し出している。

広々としたクマザサの原野にぽつりと立つ白骨林、複雑の形状と、柔らかい笹の原野や周辺の風景と、うまく調和しているように感じる。

それに後方にある、堂々として威厳を放つ名峰石鎚山1982mが、山岳情緒をいっそう高めてくれている。

さらに登山道を登り、高度を上げて行くと、クマザサの原野が山頂付近一帯まで広がっている。

広々とした笹の原野に、大小の樹木が所々にたち、公園のような美しさを見せている。

 後方には石鎚山が聳え立っている。

どこかの高原にできたゴルフ場を思い浮かべるような光景である。(氷見二千石原)

 山一帯がクマザサに覆われ、威風を放つ石鎚山とのコントラストが、美しさを一層引き立て、山岳情緒を高めてくれる。

  瓶ヶ森登山中腹にある心に残る光景である。

登山道からの眺望を楽しみながら、ゆっくりと登っていると、いつの間にか男山(おやま)頂上直下に到着していた。

 屋根が少し見えているところが男山の山頂で、登山道脇には、白い花をつけた花木が、私たちを和ましてくれる。

登山開始後、40分ほどで男山山頂に到着する。 山頂には、ごらんような石土古権現を祀る祠が立てられている。 

後方には石鎚山1982mが見えている。

男山(おやま)からは、なだらかな美しい稜線が、瓶ヶ森(女山=めやま)山頂1896mまで続く。

男山からの東側には西黒森(1861m)があり、その中腹を瓶ヶ森林道が走っている。

四国山地の幾重にも重なる山容の美しい光景が広がっている。

男山からクマザサと白い花にに覆われた登山道を、瓶ヶ森山頂である女山へ向かって登って行く。

男山から瓶ヶ森女山の頂上に向かう途中に出会った花

一面がクマザサに覆われた瓶ヶ森山頂の女山(1896m)の光景

男山から20分ほどで、瓶ヶ森山頂(女山=1896.2m)に到着する。 頂上には、蔵王権現を祀る祠があり、古くから石鎚信仰の対象とされている。

頂上周辺の眼下には、広々としたクマザサの原野が広がり、

その前方の山稜には、石鎚山や西黒森をはじめ、幾重にも重なる大パノラマの美しい山容を見せている。

 少し霞んで見えているが、このダイナミックな眺望に見とれながら、しばらくの間、瓶が森山頂で、時を過ごしていた。

瓶ヶ森山頂(女山1896.2m)から石鎚山(1982m)方面の眺望を楽しむ。

一面をクマザサに覆われた瓶ヶ森山頂の女山から男山方面の山稜を望む。 

頂上付近でしばらく休憩しながら眺望を楽しんだ後、下山ルートについて妻と相談する。 

先ほどの瓶が森登山口に戻ると、どうしても林道の崖崩れ個所を通行しなくてはならず、足も疲れていることから危険である。 

瓶が森頂上からは、西黒森方面の登山口へ下山するルートもある。

こちらの方は崖崩れの林道を通行する必要もなく、下山口から林道を1km程歩けば、愛車のある駐車場に行けるはずである。 

妻と相談した結果、西黒森登山口方面へ下山するルートを選んだ。 

西黒森方面へ下山する登山道から、一面にクマザサで覆われた瓶ヶ森(女山)山頂方面の光景

瓶が森山頂付近のクマザサに覆われた下山道からの光景、聳え立つ西黒森(1861m)の山容と林道が見えている。

頂上からの下山途中に登山道で見かけた山アジサイの花

この下山ルートは、結構急坂で、登山道のクマザサなどの草刈りも整備されておらず、クマザサに胸や腰の付近まで覆われている。

そのために、杖で笹をかき分けながら下山しなくてはならない。 

足元も笹で覆われ全く見えず、一歩一歩確認し、妻にも登山道の状況の声をかけながらの下山であった。

しかし、思わず所で大事故になりかねない、大きな事件が起こってしまった。

妻と二人、一歩一歩確認しながら下山している途中に、妻のことが気になり、私が立ち止まって振り向いた瞬間の一瞬に事故が起こってしまった。 

私が後ろの妻を見た瞬間、 妻が足を踏み外し、そのまま転倒、身体が横に回転しながら滑落していく。 

私も、一瞬、凍りつくように顔面蒼白になった出来事だった。

幸いにして、滑落した所に、平たい岩場があって妻の滑落が2~3回転して止まった。

私もびっくりし、妻に 「大丈夫か!」 と声をかけるが、すぐには返事がない。

大丈夫なのか!

 私も心配になって、直ぐに3mぐらいの滑落場所まで降りて行く。

そして、妻の手をとりながら 「大丈夫か!」 と再び声をかけると

 少し痛そうにしていたが 「大丈夫」 との返事が返ってきた。

倒れたままの妻に、手を掛けて身体を起こすのを手伝いながら、

 「ほんとに 大丈夫か!」 「どこか痛くないか!」 の質問に、

「大丈夫だよ」 との返答が返ってくる。

妻は立ち上がって、両手足を動かし、身体に異常のない動作をする。

大した怪我はしてないようであった。

私も、突然の出来事に、心配していた最悪の事態は避けられ、ほっとするが、

妻に 「山にはどこに危険が潜んでいるか分からない」 「注意して下山しょう!」 など、

注意事項を自分にも言い聞かせるように話をしながら下山して行った。

このような山での転倒事故は、私たちにとっては初めての経験であった。 

今回は幸いにして大事に至らなかったが、もう少し危険な急峻の場所だったらなど考えると、身体に冷や汗を浴びるように、ぞっとしてくる出来事だった。

転倒後も、腰まで覆われた登山道を慎重に下山する妻、幸いにして大した怪我はしてないようで、歩き方も変わらなかった。

笹に腰まで覆われた登山道を西黒森登山口方面へ下山する。

クマザサに腰まで覆われた急峻な登山道を一歩一歩足元を確認しながら慎重に下山する。

登山道で転倒する事故が発生したが、何とか無事に林道横の西黒森登山口に下山することができてホットする。

30分ほどでの下山時間であった。

 西黒森登山口からからは、舗装された林道を15分ほど歩くと、愛車を停めてある駐車場に午後2時00分頃に到着する。

 

私たちは、四国の主な山への登山は、これまでに、四国第2の高峰、剣山1955m、第一の高峰、石鎚山1982m、に次ぐ、今回の瓶が森登山であった。

瓶が森登山は、老若男女を問わず、誰でも登れる気軽な山でもあるが、

広々としたクマザサの原野と白骨林、名峰石鎚山などの四国山地の風景の美しさも抜群である。

ただ、瓶が森林道から見る、四国山地の山岳風景の美しさには驚かされる。

おそらく、季節を問わず何回訪れても飽きることのない風景を楽しませてくれるはずである。

特に秋の紅葉時には、どのような光景が出現しているのか楽しみである。

石鎚山周辺には、紅葉の名所がたくさんあり、機会があれば 是非、訪れてみたいものである。