気ままな旅

マイカーでの気ままな旅で、束縛された予定や時間にとらわれない、自由奔放な行動をとる旅の紹介です。

日本の名峰「乗鞍岳(3026m)」登山その1

2011-08-20 22:13:00 | 

 2011年(平成23年)8月13日(土) 今朝は、かつてから岐阜県と長野県にまたがる日本の名峰、乗鞍岳(標高3026m)へ登りたいとの思いが、やっと実現する日がやってきた。  

 当初は妻と二人で登る予定であったが、妻の知人でブラジル人夫婦が2日前に急遽同行したいとの連絡が入ってくる。 その為に、いつものような車中泊での気ままな旅の予定を、オートキャンプへ変更せざるを得なかった。

 出発2日前、はたして、乗鞍岳周辺のオートキャンプ場が予約できるかどうか分からなかったが、取り合えず現地の名簿を調べれて連絡すると3件目の電話でようやく予約することができた。 奥飛騨温泉郷 「合掌の森」 オートキャンプ場である。

 昨日から、愛車エステイマにキャンプの必要機材を積み込み、今朝は日用品などの準備をして、午前7時00分頃、南大阪の自宅を出発、大阪市西区にあるブラジル人夫婦宅へ迎って行く。  

 午前8時前には到着、ブラジル人夫婦が同乗してくる。 このブラジル人夫婦は、日本にきて10年以上たっているが、今回のような旅行は初めてで、車内では、にこやかな雰囲気のもとで話がはずんでいる。

 愛車は、阪神高速道路→近畿自動車道→第二京阪道路に入って行く。 

 この地点まだは、渋滞もなくスムーズに走行していたが、京滋バイパス入口に差し掛かった所から大渋滞が発生してくる。 

 渋滞を抜けるには、バイパス終点の瀬田東JCTまでかかりそうで、結局、一時間を要した。  

 やっと渋滞をぬけ、名神高速道に入ってからも、さらに渋滞が栗東ICまで続いていく。

 栗東ICを過ぎると名神高速道路は、交通渋滞もなくスムーズに流れていく。

 30分ほど走行した所にある多賀SAで少し休憩をとることにした。 

 SA内の道路案内所で岐阜県高山市までの渋滞情報を確認する。 

 それによると 中央高速道路は、瑞浪ICを中心に20kmの渋滞が発生している。 東海北陸自動車道は、白鳥IC付近で6kmの渋滞と、高山清見IC近辺で2~3kmの渋滞が発生しているとのことだった。 

 私は高山の目的地までの幾つかの走行ルートの中で、東海北陸自動車道を選定して、多賀SAを出発して行く。

走行中の名神高速道路 前方に見える山は伊吹山(1377m=滋賀県)

 

多賀SAからの名神高速道路はスムーズに流れ、愛知県の一宮JCTからは東海北陸自動車道に入って行く。 

東海北陸自動車道の車窓からは、広々とした濃尾平野の中を木曽川が太陽光線の光を浴びながらゆっくりと流れている。 

やがて、愛車は山間部のトンネル区間に入って行く。 所々のトンネルの狭間から、長良川の清流で鮎釣りをしている方たちが見えている。

 高速道路の開通していない私の名古屋在住時代のことが思い出されてくる。 

長良川と並行して走る、風光明媚な国道156号を走行して、冬は奥美濃でのスキー、夏はひるがの高原での避暑などに、よく出かけたものであった。

 やがて愛車は、清流と夏の徹夜踊りで有名な郡上八幡を過ぎて行く。 

白鳥からは車線が対面通行で狭くなってくる。 その為にか、この辺りから、また、渋滞が発生、抜けるのに20分ほど要する。 

やがて、高速道路は海抜1000m前後のひるがの高原に向かって高度を上げて行く。 

山岳急斜面に沿うように造られた高速道路の高架橋が、独特の美しい景観を見せている。

 車窓からは、高い山稜に囲まれた山裾に、幾つかのスキー場が左右に見え、別荘の屋根が緑の森林の中に点在し、自然と一帯となったリゾート地の風景をかもしだしている。  

 さらに走行し、ひるがの高原地帯に入って行くと、赤い屋根やサイロなどの牧場が見えはじめ、数頭の乳牛がおいしそうに牧草を食べている風景に変わってくる。  

やがて愛車は、ひるがの高原SAに到着する。 しばらく休憩することにした。

ひるがの高原SA内で 後方の大日岳1709mと麓のスキー場。 ひるがの高原は四季を通じて季節の趣があり、人気も高く訪れる人も多い。

東海北陸自動車道下り線での渋滞に突入(荘川付近)

 ひるがの高原SAを出発したのは午後2時を回っている。 予約してある奥飛騨温泉郷のオートキャンプ場には、テント設営や夕食の準備などから、出来れば4時頃までには着きたいと思っていたが、少し超過しそうである。 

高速道路での、お盆時期に断続的に発生する渋滞の状況では、予定時間通りに到着するのは無理なようである。

 所々で渋滞している東海北陸自動車道を走行して行くと、愛車は間もなく高山清見ICに入って行く。 

ここから一般道で高山市内へと思っていたところ、中部縦貫自動車道(高山ー平湯ー松本)が部分開通していて、10分足らずで高山市街まで入って行く。 

この地点から、国道41号を富山方面に少し走行して、平湯温泉方面の国道158号に入って行く。

  

  車窓からの奥飛騨温泉郷近辺の山並み

 

 国道158号をしばらく走行して行くと平湯トンネルに差し掛かり、抜けると平湯温泉街が見えてくる。 

そこから国道471号を下って15分程行くと奥飛騨温泉郷の街並みがあり、スーパーで少し買い物をした後、「合掌の森」オートキャンプ場に向かって行く。 

10分ほどで森の中に出来たオートキャンプ場に、午後5時頃に到着する。

 案内所で2日分の料金2万円を支払って、指定されたオートキャンプ場内のサイトに入って行く。

支払い明細 (5000円=車サイト)+(1000円×大人4人)+1000円(電気代)=合計 10000円×2日=20000円

森に囲まれたキャンプ場内にある露天風呂(混浴)、奥には女性専用の露天風呂がある。

車3台は止められる余裕のあるオートキャンプ場サイト

 

キャンプ場のサイトに到着して、食堂として利用するタープや、テントの設営にとりかかる。 

4人で力を合わせると直ぐに出来上がり、バーべキュー用のコンロや食卓テーブル、4人分の椅子などを用意すると1時間30分ほどで全ての準備が完了する。

食事前に入口近くにある露天風呂に全員で行くことになった。 

お風呂は手前にある混浴露天風呂と、奥にある女子専用の露天風呂に分かれている。 

森の中で小鳥や蝉のさえずる声を聞きながら、静かに入浴していると、ほんとに幸せを感じる。 

ブラジル人夫婦にとっては初めての露天風呂であり、キャンプであった。 

やはり、露天風呂は最高のようで、また、来たくなる心境のようであった。

全員で入浴を済まし、キャンプサイトに帰ってくると、直ぐに夕食の準備に取り掛かる。 

30分ほどで全ての準備が出来上がる。 日も落ち、暗闇の中でのタープの淡い灯りがともり、賑やかな夕食が始まった。 

 気温は随分と下がってきている。 暑い大阪の気温のことを考えると嘘のような涼しさである。 半袖シャツでは寒いぐらいである。 

 皆で杯をかたむけながら味わうビールやワインの味は最高である。

 しかし、1時間ほど経過した8時頃には、大粒の雨が降り出し、明日の天気が気になってくる。

 夕食も終わりに近づいた10時頃、雨は、まだ、降り続けている。 

夕食の片づけをして、それぞれのベットに入って、私も横になると直ぐに眠ってしまった。 

 夜中の3時半頃にトイレで目をさまして、外に出ると、明るいお月さんが空を照らしている。 

私は直ぐに今日の乗鞍登山は上天気であると確信する。

また、ベットに戻り、横になってしばらく眠った後、午前6時には起床する。 

起床すると洗面を済ますと、早速、コーヒーなどを沸かし、朝食や登山準備を整えて、午前7時過ぎには全員で平湯温泉バスターミナルを目指して出発する。

「平湯バスターミナル &レスト&スパアルプス街道 平湯」 の景観

 

 バスターミナルに到着して駐車場を探していると、タクシーの運転手が来て、乗鞍まで6800円で行くけどどうだ! との話があった。 

バスでは2000円/一人かかり、まだ、バスの出発まで30分以上の時間があることと、山の天気は変わりやすく、午前10時を過ぎると雲に覆われて山からの景観が悪くなる恐れがあることから、皆で相談した結果、タクシーで乗鞍岳畳平バスターミナル(標高2702m)まで行くことにした。

※乗鞍岳へのマイカーによるルートは、乗鞍スカイライン(岐阜県側=全長14.4km)と乗鞍エコーライン(長野県側)の2ルートで、どちらも日本を代表する山岳道路である。

 2003年より乗鞍の自然保護のためにマイカー規制が実施されている。 

両ルートとも麓のバスターミナルにて、シャトルバスやタクシーなどの交通機関を利用することになり、一般車の乗り入れは禁止されている。

私たち4人を乗せたタクシーは、平湯温泉を7時40分に出発し、温泉街を走る国道471号から、曲がりくねった山岳道路を走行して平湯峠(標高1684m)まで登って行く。 

 平湯峠から乗鞍スカイラインに入り、終点の畳平(標高2702m)まで、わずか40分足らずの間に約1000mの高度を上げて行く日本一の山岳道路で、私たちを乗せたタクシーはスカイラインをゆっくりと走行して行く。 

高度を上げて行くに従って、北アルプスの主峰、奥穂高岳、槍ケ岳、笠が岳、焼岳など、まさに雲上の世界が眺められる。

乗鞍スカイラインは景観の美しい絶好の山岳コースである。 

 

乗鞍スカイラインからの焼岳(2393m=手前中央)、奥穂高岳(3190m=中央奥)、槍ヶ岳(3180m=左)など北アルプスの主峰を望む

乗鞍スカイラインの車窓からは、富士山のような美しい山容を見せる笠ケ岳(2898m)が見えている。

 

平湯峠のスカイラインを出発して、しばらくの間は、道路脇に背の高い樹木が生い茂り、美しい樹林帯を見せていたが、高度を上げるに従って、車窓からの景色は一変していく。  

やがて、スカイラインは森林限界を超え、さらに高度を上げていくと、背の高い樹木はなくなり、全てが低層な緑の植物に覆われ、高度な山岳地帯独特の美しい景観に変わってくる。

森林限界を超えると、このようなヘヤーピンカーブを何回か繰り返しながら登って行くシャトルバスと、高山地帯独特の美しい景観が見渡されてくる。

曲がりきった幾つかのカーブを登りきると、ご覧のような桔梗ガ原の美しい平原が姿を現し、その奥に乗鞍岳頂上の剣ヶ峰(3026m=右奥)の見事な眺望が見えてくる。

 桔梗が原の平原をさらに進むと、正面にコロナ観測所が見え、終点の畳平バスタ―ミナル(2702m)に近づいていく。 正面のコロナ観測所と手前にある不動岳(2875m)。

畳平バスターミナル直前の車窓からは、富士見岳2817mと鶴ケ池の高山地域独特の景観が現れてくる。

 

午前8時20分、乗鞍スカイライン終点の畳平バスターミナル(2702m)に到着する。 

時間が早いのか訪れている人達もまばらである。

畳平に到着して洗面や軽い朝食を済ました後、近くにある乗鞍本宮神社へ参拝する。

絶好の登山日よりに恵まれ、さわやかに流れる乗鞍の空気が、青い空の下、四方を山に囲まれた美しい景観と共に、私たちを心地よくさしてくれている。

 サーこれからが登山開始だ。 4人はリュックを背負い、杖を持って、ゆっくりと乗鞍岳頂上の剣ヶ峰3026mに向かって歩き始める。

 



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