2月19日(火)夕方 知り合いが久しぶりに都心に出てきた。
事務所で少しばかり仕事の会話した。
17時半 浅草橋駅近くの焼鳥屋に入った。
元気がないようだ。
彼は新しい事業を立ち上げて一年近くになった。
内容は自分が住む地域の子供達が所属するスポーツクラブ交流サイトの運営。
サッカー、野球等の少年少女達のチーム動向、試合、活躍
試合結果の記録を季刊誌で発行 運営して子供達とその家族に
感動と喜びを分かち合う趣旨で取り組んだ。
その理念に賛同、バックアップしてくれる方々がいて
勤めていた会社を昨春退職して事業化に向けて活動を開始した。
ところが、その為の企画提案、協力依頼を具体的にバックアップ者に
提出、相談に出向いた。
突然 冷たい対応がなされた。
よそよそしく、訪問すると居留守まで使われた。
私はその事の成り行きを聞いて、溜息をついた。
昨年、彼から聞いた話では
その地域に地盤と金と人脈を持つスポンサーなり
政治家、或いは公的機関との繋がりがあって
事業化を勧めていると思っていた。
周囲は口先では子供達の地域横断的コミュニティー推進を声高に語るが
現実に参画して片棒を担いでリスクを負うことなどしない。
あくまでも第三者的立場で、理想を語るだけだ。
一個人が理念に賛同しても具体的実行力無し、金も出さない。
又人脈を紹介するほどの知名度もない。
騙したのではなく、騙されたのでもない。
地元社会で子供達のスポーツ指導をしている
親御さん達が会話を楽しんだだけなのだ。
名言
言葉は言葉に過ぎない。
説明は説明に過ぎない。
約束は約束に過ぎない。
行動だけが真実だ。
彼は7年前、私に「恩を仇で返す」という行為で去っていった。
私の好意を反社会常識、反ビジネスモラルで
自己利益を獲得するためだったが
その悪徳行為を勧めた連中がいたが、表面に出ず
利益の分け前を横取りすると、彼の傍から離れていった。
彼だけが恨みを買い、信用を失った。
それから7年、苦渋を舐めた。
今又 家族を養うために懸命な努力で新事業に取り組んでいるが
協力者は去った。
これからが本当のビジネスなのだ。
誰も助けてくれない。
事業が軌道に乗れば、去った者はにこやかに戻ってくる。
「俺が助けたからな」と恩に着せる。
名言
ペテン師と悪党が、暗い片隅で何も知らない人々を
待ち伏せしている。やつらの餌食になってはいけない。
事業化とは孤独と我慢と狂気な執念だ。
彼の裏で暗躍した輩の親父が
私に、義理の息子がしでかした不始末を謝罪に訪れた時
「あいつは一寸変わっている」と言い訳した。
彼は人柄も良く、真面目で
営業センスも良い。
私と同様に、頼まれれば断れない性格なのだ。
そのお人好しな心につけ入る連中がいる。
最後に非難と責任を負わされ孤立する。
名言
ある人間を判断するには、その人の言葉によるよりは
むしろ行動から判断したほうがいい。
というのは、行動はよくないが、言葉が素晴らしい人間が多くいるから。
23時半、自宅近くの居酒屋あんこうの提灯の灯りは消えていた。
ガラス越しに覗くと、店主が洗い物をしていた。
チューハイを一杯飲ましてもらった。
なぜか私の心は 寒々として酔えなかった。
浅草橋の飲み屋代金の約30分の一の料金
280円を払って出た。
漆黒の冷たい空を見上げた。
明日はどうなる!