馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

葉室麟 散り椿を読後。

2018-07-28 17:30:02 | 日記

この一か月、ブックオフで葉室麟の小説を買い込み

読み続けている。

 

昨日 読み終わった 散り椿。

 

 

小藩で上役の不正を追及したが、

逆に追放され、新妻と共に京で貧しい暮らしの日々。

貧苦の末に最愛の妻を亡くす。

妻の末期の言葉を叶えるために故郷に戻る。

浪々の身でありながら武士の矜持を貫く

小藩の権力闘争に巻き込まれ

翻弄する。

 

2018年9月には、岡田准一主演で映画公開される。

 

人は誰でも、映画、舞台を見れば

自らを投影させ主人公になりきる。

任侠映画など正しく「俺もそうだと」陶酔。

 

散り椿を読後、私も辿った半生想いを耽る

 

武家社会は、現代の政治家と官僚の上下組織と変わらず。

バカ殿に仕える武士の生死を賭けた従うか、背くの決断

安陪陰陽師に仕える面従腹背の官僚達。

 

運が悪かったと言えば それまでだが。

 

汚名被せられた官僚は、退官後も天下りポストを得られても

生涯、悔い痕と世間の目を気にして送る。

 

私も26歳の時、上司の不正を訴え出て

逆に飲食店で皿洗いさせて辞めさせようとした。

その辛い時に結婚。

3年後、不正が公になり、銀座営業部に復帰。

内情を知った部長は、涙を潤ませ喜んだ。

数年後、労組の書記長になった。

全く労組に関心もなかったが

貧乏くじを引いたのだ。

交渉には満足であったが

裏には、奸計があった。

何ら根拠のない思想的問題と破壊者であるとの

抽象的人物像を社内に広めたのだ。

2歳の息子と0歳の娘を抱えて追放。

無常と修羅の娑婆を彷徨い必死に喘いだ。

 

背後から濁流に投げ込まれて1

背後から濁流に投げ込まれて2

 

背後から濁流に投げ込まれて3

 

背後から濁流に投げ込まれて4

 

背後から濁流に投げ込まれて5

 

背後から濁流に投げ込まれて6

 

 71歳になれば当時の関係者への怒り憎しみは哀れみになった。

彼らにとっても、組織上の管理監督、保身、不満

上昇志向、ライバルを貶める。

複雑に心では葛藤がせめぎあい

人の好い奴、弱い奴に狙いを定め

私のような、「馬鹿も一心」を利用したのだろう。

 

しかし、個人の全てに寛容の気持ちで許せても

芝信用金庫の組織グルミの

善意の取引先を騙すのは許すことは出来ない。