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胃ガンの多い日本人ピロリ菌のタンパク質

2017-09-24 10:41:41 | 健康・医療
東京大学の研究グループが、日本人には胃ガンが多いがその背景にはピロリ菌が作るタンパク質の結合様式に違いがあることを突き止めました。

これまでも胃ガンの発症にはピロリ菌の感染が関わっていると考えられていましたが、日本を含む東アジアの諸国と欧米のピロリ菌には発ガン性の強さに差があるといわれていました。今回の研究で、東アジアと欧米のピロリ菌には生産するタンパク質の構造に違いがあり、それが発ガン性の高さの違いにつながっていることが判明しました。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、ヒトの胃粘膜に住み着く病原細菌で、感染すると胃潰瘍や萎縮性胃炎を引き起こすほか、胃ガンの発症原因にもなるといわれています。

しかし私はまだこの理論はやや疑っています。本来胃の中は非常に強い胃酸がありますので、細菌が住み着くことは無いと思われていました。しかしこのピロリ菌はウレアーゼという酵素を持っており、胃内の尿素を分解しアンモニアを生産し自分の周辺だけ中性条件にしているといわれています。

細菌というごくミクロの世界ではありうるのかもしれませんが、科学的に考えると奇妙な現象で、ピロリ菌は好酸性細菌ではないかと思っています。こういった細菌が炎症を起こすことは有りますが、遺伝子を変異させることはないような気がします。私はピロリ菌の検査もしていませんし、当然除菌などやっていません。

さて研究グループによると、発ガンの過程にはピロリ菌が作り出すあるタンパク質が関わっており、これがヒトの胃細胞に侵入してある種の酵素と結びつくことで、その酵素が異常に活性化し、細胞のガン化が促進されるとしています。

今回研究グループは日本と欧米の2種のピロリ菌が生産するタンパク質を原子レベルで分析し、アミノ酸残基の違いによる立体構造の違いが発ガン活性に影響していることを解明しました。

欧米型の持つアスパラギン酸残基よりも東アジア型の持つフェニルアラニン残基のほうが、よりこのタンパク質と酵素の結合を安定化させるようです。またこの安定した結合が胃細胞のガン化を強力に誘導するとしています。

今回の研究は、胃ガン発生のメカニズムの化学的な解明に役立つほか、胃ガンの予防や早期治療の開発などにもつながる可能性があるとしています。

私としてはこの酵素と結びついたタンパク質が、なぜ胃ガンの促進になるかのメカニズムのほうが重要な気がしますが、こういった基礎的な研究の積み重ねが全体の解明には必要なのかもしれません。


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