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就職活動とリクルートスーツ

2018-04-18 10:51:05 | その他
朝日新聞社の採用チームのツイッターに「各社の採用担当者の皆さん、リクルートスーツで来なくていいですよと共同宣言しませんか」と呼びかけて話題になっています。

同社採用チームは、採用担当者は受験者の個性を見たいわけで、服装も一つの自己表現と、リクルートスーツ以外の服装で面接する有効性を説明しています。ただしそういう宣言をすると、逆に受験者たちが迷ってしまうという難しさも出るようです。

このリクルートスーツについては私も色々と思うところがありました。私が入社の面接をしていたころは、20数年前から6,7年ぐらいですが、その最初のころは皆さんスーツ姿ではありましたが、現在のようにほぼ一色というわけではなかったと思います。

それがだんだん黒系に統一され、最後のころは女性も同じようなスーツ姿になったような気がします。当然ですが面接する方もどんな服装かなどまったく気にしていませんでしたが、全員が同じようなスーツというのにやや違和感を持っていました。

10年ほど前から大学の非常勤講師をしていましたが、担当が3年生で当時は12月ぐらいには就職活動が始まっていました。その時期になると50~60人の学生の半数ぐらいが同じリクルートスーツ姿で講義を受けるようになります。

学生は通常バラバラな格好をしているのが、突然黒一色になるとかなり不思議な光景となりました。その中に地味なストライプ柄のスーツの学生がいたので、やはり就活中か聞いたところ、皆と同じ服を着たくないからという答えでした。この学生がどこに就職したかは分かりませんが、その程度でもかなり勇気がいることなのかもしれません。

さてこの朝日新聞社に関しての反論は、「一日何社も受けるのでスーツと普段着の両方を持ち歩くことになる」とか「服装で優秀な人間を判定できるわけがない」といった意見が出たようです。

朝日新聞社はこういった提案をした理由として、「就活生の負担を軽減したい」ということを挙げていますが、現在のようにリクルートスーツが完全に定着している状況では、負担を増やすことになるような気もします。

このスーツは受け入れ側が希望したわけではなく、学生側から自然発生的に進んでいったものですので、何社かがこういった宣言をしたところですぐに広がるとは思えません。

ついでながら私が最後に勤務していた研究所で、ある送別会の時幹事からスーツ着用という指示がありました。私は特に考えず手近にあった黒系のスーツを着ていったところ、何と十数人がすべて黒系のスーツでした。このあたりもリクルートスーツの流れが社会人まで広がってきてしまったような気がします。

たかが服装ではあるのですが、何か個性を感じられなくなったのがこんなところにも出ているような気がして残念です。


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