私たちが便利に使用しているカーナビは、人工衛星から発信される正確な時間情報によって実現しているようです。
カーナビはアメリカが始めた全地球測位システム(GPS)を活用するもので、高度2万kmの上空に打ち上げられた31基の衛星から発信されている正確な時間情報で位置を割り出しています。
GPS衛星には、誤差が30万年に1秒以内という高精度の原子時計が搭載され、常時時間情報を発信していますが、この中から近くを飛行している3ないし4基の時間情報の到達時間の差を照合すると、受診位置を特定できる仕組みとなっています。
もともとは、米国が軍事利用を目的に開発したものですが、民間利用にも開放されたため、航海、航空、ドライブなど様々な場所で使われるようになりました。
問題は精度で、誤差が数m~数十mにもなるとカーナビには使用できませんが、セシウムやルビジウムなどを素材に使った原子時計が小型化し、衛星に搭載できるようになったことと、様々な補正方法が工夫されたことで、利用は一気に進んでいます。
時間精度の基準となる振動(周波)は、高い振動数(周波数)ほど時間を高精度に測定できます。1日の誤差が数秒~数十秒の機械式時計の振動数は1秒当たり5~10回、1か月に数秒~数十秒の誤差のクオーツ時計は数万回ですが、セシウム133原子の周波数は約92億回(正確には基底状態で91億9263万1770回)にもなります。
この辺りはあまりよく分かりませんが、代表的な吸収(共鳴)型のセシウム原子時計が説明されています。
1秒間に92億回もの周波数を1から数えるのは不可能ですが、92億回の周波数に設定したスペクトル線(分光器を通して光を分解した際に見える線)の周波数に近いマイクロ波を原子や分子に当て、両者の周波数が一致したときにマイクロ波の吸収が最大になる「ラムゼー共鳴」を利用しています。
共鳴すれば、マイクロ波が理論値の振動数で発振されていることが確認され、ズレていれば、取り出したデータを元に、内蔵している時計の基準としている発振器の周波数を補正しています。
これをさらに精度を高くしたものが東京大学が開発した「光格子時計」です。この辺りのメカニズムは省略しますが、300億分の1秒という誤差を実現する時計が現実となっています。こういった超高精度の時計が出現することにより、マイクロエレクトロニクスの精度を高めたり、通信における情報量が増やせるなど、新たな世界が見えてくるようです。
これがどんな世界かは分かりませんが、あまり便利になるのも問題なのかもしれません。
カーナビはアメリカが始めた全地球測位システム(GPS)を活用するもので、高度2万kmの上空に打ち上げられた31基の衛星から発信されている正確な時間情報で位置を割り出しています。
GPS衛星には、誤差が30万年に1秒以内という高精度の原子時計が搭載され、常時時間情報を発信していますが、この中から近くを飛行している3ないし4基の時間情報の到達時間の差を照合すると、受診位置を特定できる仕組みとなっています。
もともとは、米国が軍事利用を目的に開発したものですが、民間利用にも開放されたため、航海、航空、ドライブなど様々な場所で使われるようになりました。
問題は精度で、誤差が数m~数十mにもなるとカーナビには使用できませんが、セシウムやルビジウムなどを素材に使った原子時計が小型化し、衛星に搭載できるようになったことと、様々な補正方法が工夫されたことで、利用は一気に進んでいます。
時間精度の基準となる振動(周波)は、高い振動数(周波数)ほど時間を高精度に測定できます。1日の誤差が数秒~数十秒の機械式時計の振動数は1秒当たり5~10回、1か月に数秒~数十秒の誤差のクオーツ時計は数万回ですが、セシウム133原子の周波数は約92億回(正確には基底状態で91億9263万1770回)にもなります。
この辺りはあまりよく分かりませんが、代表的な吸収(共鳴)型のセシウム原子時計が説明されています。
1秒間に92億回もの周波数を1から数えるのは不可能ですが、92億回の周波数に設定したスペクトル線(分光器を通して光を分解した際に見える線)の周波数に近いマイクロ波を原子や分子に当て、両者の周波数が一致したときにマイクロ波の吸収が最大になる「ラムゼー共鳴」を利用しています。
共鳴すれば、マイクロ波が理論値の振動数で発振されていることが確認され、ズレていれば、取り出したデータを元に、内蔵している時計の基準としている発振器の周波数を補正しています。
これをさらに精度を高くしたものが東京大学が開発した「光格子時計」です。この辺りのメカニズムは省略しますが、300億分の1秒という誤差を実現する時計が現実となっています。こういった超高精度の時計が出現することにより、マイクロエレクトロニクスの精度を高めたり、通信における情報量が増やせるなど、新たな世界が見えてくるようです。
これがどんな世界かは分かりませんが、あまり便利になるのも問題なのかもしれません。
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