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人工血液の研究が進展

2016-04-08 10:27:03 | 健康・医療
輸血用の血液不足が問題になっているようです。日本赤十字社によると、10年後には約85万人分の手術用血液が不足するとされています。

現在輸血用血液は、すべて献血によって賄われていますが、昔は民間血液銀行による売血での供給でした。あまりにも昔のことですので、私も詳しくはわかりませんが、血液を売ってお金を得るという行為が日常化し、いわゆる「黄色い血液」問題が起きたようです。これは採血を繰り返していくと、赤血球数が不足し、比重の軽い血液となるようです。こういった売血行為が繰り返され、血液の質の問題と、売血という行為自体の問題から、1960年代の終わりごろから、輸血用血液はすべて献血によるよう制度改革されたようです。

ここで若干疑問なのは、献血というのは当然無償で血液を提供するので、その分安くなるはずが、輸血用の血液の値段はかなり高く、これをやっている日本赤十字は多額の利益を得ていそうなものですが、あまり問題になっていません。どうもこの日本赤十字という組織は、怪しいところがありそうですが、本題とは無関係です。

現在、この献血可能年齢の人口減少により、輸血用血液不足が予想されているわけです。当然昔から人工血液の研究は行われており、人工高分子などでかなり良いものができたようですが、血液中に微量存在する一酸化窒素まで取り込み、そのため血管収縮が起きるといった問題がありなかなか実用まで行っていません。
その後の研究は古くなった血液のヘモグロビンを利用する研究が主流となりました。

今回中央大学の研究グループは、このヘモグロビンを3個の血清アルブミンで包み込む技術を開発しました。血清アルブミンはマイナスの電荷をもち、血管中にもマイナスの電荷があるため、凝集反応などが起こりにくく、赤血球の代替物として使用可能となったようです。

研究グループはこの物質に「ヘモアクト」という名前を付け、まず動物用代替血液として実用化を目指すようです。このヘモアクトの利点の一つが安定性で、通常の赤血球は3週間程度しか保存がきかないのに対し、これは数か月以上安定に保存可能といいます。

現在犬や猫などは輸血用血液をストックする制度がないため、手術時の血液確保が問題となっています。人間用として開発してきたものを、動物用に変えるにはいろいろ問題があったようですが、企業とも連携して動物用を5年後をめどに開発を進めているようです。

このように人工血液といっても、ヘモグロビンも血清アルブミンも自然のものをうまく組み合わせることで、非常に繊細な赤血球代替物となったようです。

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