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ヒトへの「臓器移植用」ブタが国内で誕生

2024-03-23 10:34:01 | 健康・医療
ヒト以外からの臓器移植に関しては、かなり前にブタの心臓を移植した人の話を取り上げたことがあります。

この患者は数カ月で亡くなったようですが、異種移植が現実となりつつあるようです。1996年にクローン羊ドリーが話題になってから28年も経ちましたが、現在の最先端のクローン技術は、臓器移植用のブタを誕生させるところまで到達しました。

明治大学発のベンチャー企業などのグループが、クローン技術でヒトへの臓器移植を前提にした特殊なブタの生産に成功し、その子ブタが誕生したことを発表しました。誕生したブタは臓器移植しても拒絶反応が起きづらい遺伝子操作を施されています。

ヒトへの移植を想定したブタが国内で生まれるのは初めてのことで、臨床応用への期待が高まっています。こういった異種移植の際にブタが選ばれるのは、臓器の大きさや適合性に優れていると言いう説があるようです。

ブタの臓器をヒトに移植する研究は、移植用の臓器の確保に向けてこの数年注目されています。臓器移植医療における提供臓器の不足は、世界的課題となっています。

近年の日本では、臓器移植の希望者のうち実際に移植を受けられるのはわずか3%に留まっており、その一因として臓器提供者の極端な不足(米国の1/60以下)が挙げられています。

研究グループは今後研究機関などにブタを提供する予定で、今年のうちにサルへの臓器移植する研究を始める計画です。技術の完成と並行して、実用化に向けて話し合う必要のあることも生まれています。それが1.安全面と2.倫理面です。

安全面については、クローン動物が妊娠・出産した事例もありますが、クローン技術が子や孫にどのような影響が出るか分かっていません。また動物から移植を受けることによって、未知のウイルスに感染する危険性も潜んでいます。

また倫理面としては、特定の表現形質を意図的に生み出すことの影響があるとしています。その他色々と挙げていますが、あくまでも人にクローン技術を使う際の問題であり、ここでの臓器移植に関してはあまり問題でないような気がします。

それより問題なのは、こういったブタの臓器が移植された際に、どこまで人の臓器としてなじんで機能するかのような気がします。

まだ実用化までには多くの課題がありそうですが、ドナー不足は現実的な問題ですので、ブタの臓器移植が可能になる日を待ち望んでいます。


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