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長引く咳、気管支拡張症とは

2018-12-12 10:22:35 | 健康・医療
風邪の後などに咳が長引くようであれば、気管支拡張症かもしれません。

近年欧米では一度忘れかけられたこの病気に注目が高まっているようです。風邪が治っても咳やタンが続き夜も熟睡できないといった症状がみられる病気の一つに気管支拡張症があります。

この病気は、何らかの要因で気管支に傷ができ、そこに細菌が定着して過剰な免疫反応で炎症が慢性化し、結果的に気管支が拡張するというものです。かつては結核や小児期の肺炎などをきっかけに発症し、その後感染を繰り返して徐々に悪化していくものと理解され、治療も消極的なものでした。

しかし抗菌薬が普及し、ワクチン接種などで小児の肺炎が減少、これに伴い気管支拡張症の注目度が低下していきました。この病気は「オーファン・ディシーズ」という極めて患者が少なく製薬会社も関心を持たない病気とされていた時期もあります。

ところが最近の研究で、気管支拡張症は増えており、その約50%はこれといった病気がなくても発症する突発性(原因不明)で、風邪の後だけ症状が出るといった軽度の気管支拡張症も多いと分かってきました。

最初は軽症であっても、一部の人は繰り返しているうちにゆっくりと進行し、階段などで息切れをきたすようになることもあるようです。また関節リウマチ、潰瘍性大腸炎などの全身性炎症性疾患との関連が強いことも明らかになってきました。

この流れを受けて、昨年9月には初の国際治療ガイドラインが発表されました。欧米ではメカニズムや治療法などが盛んに議論され、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアで大規模な患者調査がスタートしています。

ところが日本ではガイドラインがなく、大半の医師の間で重要視されおらず、症状だけから風邪やCOPDなど別の病気と診断されている可能性もあるようです。

ある病院では風邪のたびに咳とタンが長引くと訴える患者について、高分解能CTを行うと2人に1人くらいの割合で気管支拡張症が見つかるようです。

治療方法はまだ確立しておらず、抗菌薬を5~7日間投与する、マクロライドの長期投与、吸入ステロイドなど様々な治療法が欧米では検討されています。

私も風邪をひいた後など夜寝るときや朝起きたときにかなりひどい咳に苦しめられました。また風邪の症状が無くなった後に咳だけが残ってしまい、かなり長期にこれが続くことがありました。

現在は喘息の予防にステロイドの吸入薬を使用するようになりすっかり治まっていますが、こういった気管支拡張症の可能性もあったのかもしれません。


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