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アトピー性皮膚炎のメカニズム

2019-06-28 10:36:33 | 健康・医療
皮膚にかゆみのある湿疹が生じ、慢性化するアトピー性皮膚炎については、この数年で治療方法は飛躍的に進歩しているようです。

以前は「原因不明の奇妙な皮膚の病気」「アレルギーだから治らない」「体質だから仕方がない」などと言われていましたが、そのメカニズムも分かってきたようです。

肌すなわち皮膚とは、人間の身体を覆い外界との境界を作る薄い膜のことを言います。実は皮膚は肝臓や心臓などと同じく臓器の一種で、厚さは1.5~4ミリと非常に薄い膜なのですが、面積は広く重さは約3キロと、臓器の中でも最も大きなものです。

この皮膚は人間の身体を保護するだけでなく、免疫をつかさどったり体温を調整したりと、さまざまな役割を担っています。アトピー性皮膚炎は、皮膚にかゆみを伴う湿疹ができ、その湿疹が慢性的に悪くなったり、良くなったりを繰り返す病気ですので、まず皮膚の構造や仕組みから示します。

皮膚は表皮、真皮、皮下組織から成り立っており、最も外側にあるのが表皮で、アトピー性皮膚炎に深く関わる部分です。この表皮は外側から、角層、顆粒層、有棘層、基底層という4層構造になっています。

表皮は、内側の基底細胞が分裂して有棘細胞に、さらには顆粒細胞にと約1か月かけて生まれ変わります。古い表皮は角質(いわゆるアカ)となって、2週間ほどで自然に取れてなくなっていきます。

つまりダメージを受けた皮膚でも、必ず生まれ変わって治るという自然の力を兼ね備えているのです。

なぜアトピー性皮膚炎になるのか、原因は二つあります。一つは皮膚のバリアー機能の異常、もう一つはアレルギー反応です。その二つが絡み合って、かゆみのあるアトピー性皮膚炎という病気が起きます。

皮膚の一番外側にある角層は、10~15層の角質細胞がレンガのように積み重なってできています。このレンガ内の水分を保つ役割をしているのが天然保湿因子です。レンガの一番外側を覆って内部の水分が蒸発しないようにしているのが皮脂膜で、レンガをくっつける役割がセラミドなどの角質細胞間脂質です。

アトピーの皮膚では、天然保湿因子のもとになるフィラクリンというタンパク質が減少し、角質細胞間脂質が減少し、汗をかきにくいため皮脂膜が弱いことなどが原因となり、皮膚に水分を保つことができなくなり表面が乾燥します。

そうなると外的刺激から身体を守る働きが低下し、皮膚内部に異物が侵入しやすくなっていくのです。こうして侵入した異物が免疫の過剰反応を引き起こし、アトピー性皮膚炎となるわけです。

このように単なるアレルギー反応と考えられていたアトピーも、色々な原因が分かってきましたので、適切な治療が可能になってきたようです。


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