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ガンの発症の予防は本当にできるのか

2023-04-12 10:36:30 | 健康・医療
私は76歳になりましたので友人知人の多くが亡くなり、先日も大学の同級生の訃報が届きました。この大部分がガンが原因となっていますが、この歳になるとやむを得ないのかもしれません。

最近はガンを予防するさまざまな方法が、色々なメディアで大きく報道されています。そのほとんどが科学的根拠に基づくとして、禁煙、節酒、食生活、身体活動、適正な体重、感染予防などを挙げています。

こういった報道を見ますと、如何にも健康に良さそうな感じを受けますが、本当にガン予防になるのかは大いに疑っています。

ガンは「遺伝子の変異による細胞の病気」という定義があり、私もこれが正しい認識だと思っています。ヒトの遺伝子の変異は、発ガン剤や喫煙といった化学物質や紫外線などによっても起きますが、大部分は細胞増殖の際の遺伝子のコピーミスといわれています。

ヒトは37兆もの細胞からできており、これらの細胞は日に日に新陳代謝によって新し細胞に置き換わっています。この時当然遺伝子もコピーされますが、非常の低い確率ですがコピーミスが生じてしまいます。

正確にコピーされるメカニズムはしっかりしていますが、それでも何万回に1回程度は生じてしまうようです。しかしヒトの身体にはこのミスを修復する機構が備わっており、正しい配列に常に修復されています。

ただし当然かもしれませんが、これで100%完全に元に戻るわけではなくある程度はミスが残ってしまいます。この細胞はアポトーシスという自死行為によって自滅するというメカニズムも備わっています。

このように生体には遺伝子が変異した細胞が残らないようなメカニズムはしっかりしているのですが、この網を逃れて増殖してしまう細胞がガン細胞となります。つまりここまでは生命を維持するための必要な行為の一環として、ごく稀にガンが発生してしまうという事になるのです。

この説はほとんど増殖しない心臓には、ガンが発生しないことなどからも裏付けられています。高齢者にガンが多いのは、この修復酵素の働きが弱まるためとされています。また遺伝的にガン体質といわれる様な人は、修復酵素遺伝子に問題があるようです。

さてこのような一連の流れのなかで発生してしまうガンという病気を、予防する方法はあるのでしょうか。もちろん進化の結果出来上がった細胞増殖時にコピーミスを減らすことはできません。

ゾウなどの一部の動物にガンが非常に少ないことが知られており、これはミスの修復能が非常に高いことが分かっています。

この修復力を高めることができれば、ガンの予防につながりますが、現在までその方法は全くありません。少なくとも食事や運動で何とかなるというのは、幻想にすぎないような気がします。

生命を維持する活動の小さなほころびからガンが発生するのであれば、その自然の摂理にゆだねるしかないような気がします。


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