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老化予防の効果が期待される「テロメア」

2020-01-19 10:31:03 | 自然
高齢化が進む日本社会で、いかに健康的に高齢期を過ごしていくかが重要となっています。

若く保つことが求められる中で、最新の医療技術にも注目が集まっていますが、そういったこととは別な細胞の若返りとして「テロメア」が話題になっているようです。

テロメアについてはこのブログでも取り上げていますが、核の中にある染色体の末端部分で、染色体がほつれたり互いにくっついたりするのを防ぐキャップのようなものと考えられていました。

若い細胞は分裂によって新陳代謝を繰り返し、機能した古い細胞を除去しています。しかし細胞分裂には上限があり、その回数を決めるのがテロメアです。テロメアは細胞分裂のたびに短くなり、ある一定の短さに達すると細胞分裂が不可能な細胞老化という状態になります。

このことからテロメアは「命の回数券」と呼ばれ、テロメアを延ばすことが老化予防になるとされています。生まれつきテロメアが比較的長い人と短い人がいることも分かっており、研究者の中には生まれ持ったテロメアの長さが寿命と関係していると提唱している人もいます。

このテロメアを伸ばす酵素がテロメラーゼで、研究により日常生活の中でテロメラーゼを増やし、テロメアを延ばすことが可能という結果も出ています。

カルフォルニア大学の報告では、食事や睡眠、有酸素運動、さらに瞑想がテロメアを延ばすことに効果的だとしています。私はこの辺りはかなり怪しい結果だと考えています。

それなりの根拠はあるのでしょうが、体内にある無数の酵素の内のひとつを活性化するのは、日常生活を工夫する程度では不可能なことと思います。そもそもテロメラーゼはガン研究の中で見つかったものです。

ガン細胞は変異した人間の細胞ですので、無限に増殖するのであれば、そのテロメアはどうなっているのかという研究が行われました。その結果ガン細胞の中にはテロメラーゼがあり、短くなると延長しているという事が分かったのです。

余談ですが、私もこのテロメラーゼを阻害すれば抗ガン剤になると考え、研究したことがありますが、致命的な欠点がありました。テロメラーゼを阻害してもある程度増殖を止めることはできますが、ガン細胞自身は無くならないつまり治すことができないのです。

さてこの報告では、テロメアに対して悪影響を及ぼす要因なども出ていますが、不必要に日光を浴びたり、紫外線にさらされたり、喫煙などがあるようですがこれも怪しいような気がします。テロメラーゼの活性化については、今後の研究を待つということかもしれません。

テロメアが長くなれば若返るのかも確証があるのかやや疑問ではありますが。


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