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4月から「18歳成年制度」が開始

2022-04-08 10:25:07 | 時事
私はすでに18歳で選挙権が与えられたりして、既に「18歳成年制度」は始まっているものと思っていましたが、正式には2022年の4月からのようです。

私の感覚では成年を18歳にするのは、20歳近い少年犯罪が悪質化し増加していることへの対応かと思っていましたが、それほど単純なことではないようです。

18歳成年制度は、若者に対するこれまでの社会の見方やありかたを大きく変える物であり、社会に「活力」を与えるためのものとしています。

18歳成年制度の導入によって変わるべきは若者ではなくて、大人の側であり社会の在り方のようですが、本当にそれほどのことなのでしょうか。確かに明治時代に20歳を成人と定めたものが、延々と続いてきたものを18歳に変えるのですからそれなりに大きな変革かもしれません。

しかしどうも「成人とは」何かということがよく分かりませんし、酒やタバコを飲んでも良い歳という程度でしたが、今回はこれは20歳のままのようです。

この20歳が成年として定着したのは、戦後「成人の日」が定められ、1940年代末から20歳を対象に成人式が行われるようになってからです。その程度の成人であれば、20歳から18歳にしてもあまり変わらないような気がします。

実際は民法の成年以外にも法律上さまざまな年齢区分がありますが、あまり一般的なものとはいえないようです。法務省によれば「民法が定める成年年齢には、1.一人で有効な契約をすることができる年齢という意味と、2.父母の親権に服さなくなる年齢という意味がある」と説明しています。

これでも成年とはどういう意味かよく分からないような気がします。この成年年齢の引き下げを提案した法制審議会では、若者の精神的な成熟度が主な議題とされ、今の若者の未熟さや成熟の遅れがさまざまに指摘されました。

こうした成年年齢を精神的成熟度の問題として捉えるこうした議論が、成年年齢というものを分かりにくくしているような気もします。18歳になれば身体的には完全に成熟しているということでよいような気もします。

たぶん精神的な成熟度などは個人差も大きく、とても科学的に議論できるものではないような気がします。今回の改正で10代の若者を将来の国造りの中心として捉えるなどと言うことは、単なる文言上の問題であり、何かが変わるようなことではない様な気がします。

50年前の私が学生のころから、大学生であれば酒やタバコも黙認するという気風がありました。たぶんそのころから18歳が成人であるという暗黙の了解はあったような気がします。

今回の改正はそれを法律的にも認めたということで、実質的には大きな変革にはなっていないのではないでしょうか。その割にはいろいろなメディアなどで騒いでいるのは、単なる言葉遊びのような気がしています。


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