西岡さんへの手紙

2005-04-14 | 日記
今年もあの桜が満開に咲き誇っています

貴女の病室から見えたあの桜・・・今年もホンマに綺麗です

もう何年たったのでしょうね・・・

貴女の残した二人の息子さんは20を過ぎてソロソロお嫁さんを迎える年頃ですね

短い。半年足らずの時間でした

濃密な時間だった気がしてます

清々しい程に潔い貴女の姿が私ホントに怖かった

生きれる時間の短さをしっかり受け止めていたその姿

貴女が口に出来るのは飲み物と煙草だけでしたね

煙草をくゆらす貴女の姿を見守りながら自分の無力さを何度も感じました

決して弱音を吐かなかった貴女の最後の時

私は怖くて怖くて逃げ出しました

点滴の針を抜いて・・・そう叫ぶ貴女を見ている勇気がありませんでした

そんな貴女を見るのが怖くて嫌で病室を訪ねるのを止めてしまいました

勇気を振り絞って訪ねた病室に貴女はもう居ませんでしたね

婦長さんから貴女が亡くなったと聞いて私はなんだかホットしました

もうこれで苦しむ事は無くなったんだね

やっと楽になれたねって・・・

二度と貴女に逢う事は無くなったんだって私も楽になりました

生きてるだけでも儲けもんです。でも生きてるだけって健康じゃないと駄目やん

点滴につながれてモノも食べれない、病院に縛られてるなら生きてるって言えない

骨格がそのままむき出しのままの貴女を包む柔らかな脂肪を何度も想像しました

健康な時ならば綺麗な女やったやろうな・・・そう感じれました

半分死んでる気力だけで生きてる貴女を見るのはホント怖かった

貴女と知り合えてひとつ私は学びました

産れる時は一人では無いけど逝く時は一人なんだなって

自分の命と向き合ってどれだけ潔く凛として終われるのかは本人次第なんだなって

貴女の潔さを私は忘れません、私も最後は貴女の様でありたいと願っています

ひとりは決して怖い事ではない、誰かを守り慈しむ為のひとりもあるんだなって

最後の時が私に訪れた時、私も貴女の様に自分の力でキチンと受け入れられる人でありたい

貴女の好きなマックシェーク。今年も買ってきました

早く一日でも早く生まれ変わって新しい人生を生きて下さい

そう心から願っています



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