一人想うこと :  想うままに… 気ままに… 日々徒然に…

『もう一人の自分』という小説を“けん あうる”のペンネームで出版しました。ぜひ読んでみてください。

熟年離婚

2005-12-04 20:51:11 | 日記・エッセイ・コラム
 ドキッとするようなタイトルだが、ご主人様と奥様が離婚するわけではない。
最近、『熟年離婚』というテレビドラマが流行っているらしい。
bibi9-3
 僕がソファーでゴロゴロとしていると、横で奥様はテレビに見入っている。
チラッと見ると、どうやら『熟年離婚』を見ているようだ。
ご主人様が通りがかって、「おもしろいのか?」と訊くと、「うん」とうなずくだけだ。
それも振り向きもせず。
 ご主人様は、「そうか」と言うと、隣の部屋に行きパソコンを使い始めた。
別に気にもしてないようである。
この時は・・・。

 今日、ご主人様と奥様、それに娘と彼氏の四人はレストランに食事に行った。
行ったのは洋食で、焼きたてパンが食べ放題の店だ。
食べ盛りの彼氏にはちょうど良い。
 いろんな話に盛り上がっていた時に、奥様が「『熟年離婚』というテレビドラマがおもしろい」と言い出した。
そして、ドラマの内容をとうとうと話し始めた。
途中まで聞いていた娘は、話をさえぎるように言った。
「ねえ。それって、うちのおとうやんそっくりじゃないの」
奥様は我意を得たりという顔をしてうなずいていた。
そして話し続けた。
「そうなのよ。それにね、今年も私の誕生日を忘れていたのよ!!」
彼氏と娘の視線がご主人様に突き刺さった。
そしてなぜか彼氏が話し始めた。それも真顔で。
「おじさん。それはまずいですよ。
今年のクリスマスは豪勢なプレゼントを贈った方がいいですよ。
その方が絶対にいいですよ!!」
なぜ、こいつにこんなことを言われなきゃならないんだ?
ご主人様はそう思ったが、考えてみると娘の彼氏は本当にまてなやつだ。
誕生日の贈り物は当然。
ジャケット着用のレストランへも予約して連れて行ってる。
もっともこの時に着て行ったジャケットはご主人様から借りたものだが・・・。
 振り返ると、確かにご主人様は何にもしていない。
直前までは憶えているのだが、当日になるとなぜか忘れてしまってる。
結婚記念日も奥様の誕生日も。
まずいなこれは・・・。
このままいくと、本当にドラマのようになってしまう。
まずい、まずい、絶対に・・・!!

 12月に入っても札幌市内はまったく雪がない。
雪がないと、どうも師走という気分がしない。
でも絶対に忘れないようにしなければ。
もうすぐクリスマスが来る。
忘れないように・・・
忘れないように・・・
絶対に忘れないように・・・!!


コメント
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