HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

ホトケノザ(仏の座)

2020-01-25 | 冬 赤・桃色系

ホトケノザのおしべは何となく撮ることは出来る。
花冠がしべに被さるように咲いているのが普通だけれど
群れて咲いていると中には花冠が上を向いたり横を向いたりしているのも見つかる。
シソ科の花の特徴がこの花冠の形状で「唇状花冠」と呼ばれている。
上唇部と下唇部の形状が違っていて、上唇部がしべを隠している。
下唇部に訪花昆虫がとまるとしべがお辞儀するように前に倒れて、花粉をつける構造だ。
ただ隠されているとは言っても、正面から見ると橙色の葯を持ったおしべは4本は見えている。
ところがめしべは上向きや横向きの異端児がいたとしても見えない。

それでも花期の終盤、橙色の葯が黒ずんでくる頃になると
何となく4本ある半透明の花糸と同じような色合いのめしべが見えているときがある。
柱頭が2裂していて、蛇の舌のようにも見える。
橙色のおしべの葯に気を取られているから見えない…のかも知れない。
今日はこのめしべを撮ってやろうと意気込んで
田んぼの畦の周囲に点々と広がっているホトケノザと小一時間遊んでいた。


▲ 4本のおしべが盛んに花粉を散らしているのだけれど、訪花昆虫がいるとも思えない冬の日。▼



▲ おしべの葯は橙から黒くなり始めている。つまりは花粉を出し切った状態に近づいている。
この状態の花、花期の終盤を探し出すのが近道だと理解した。▼

▲ おしべの葯が黒くなり始めている花。▼



▲ 中にはおしべ4本、めしべ1本が見えている花も咲いているのだけれど
おしべ同様に勝手な方向を向いているめしべも見つかる。▼








▲ 花期の終盤の花は下唇部も色濃くなっている。▼



▲ まだまだおしべの橙色の葯は「健在」、この頃でもめしべはおしべの花糸の間から見える…時がある。
下は、見える状態だが見えない…と思ったら、右側にめしべが傾いでいた。▼





▲ さんざん苦労させられためしべだが、一つ見つかるとその周囲の幾つかもおしべの花粉は既に無くなり
黒く見えていたからそれを目当てにすれば何枚か撮れた。






▼ ここのホトケノザはかなり早い時期から咲いていたので多くは種子を生産し
既に幾つかは零れてしまっている。▼





▲ 種子が出来ているのは、花が咲いている部分にもあるけれど、その下を探す方が確実。▼



▲ ホトケノザの種子は花冠が落ちた萼に、普通4個一緒に収まっている。▼





▲ 一つきり残っているのは蕾ではなくて閉鎖花、だからこれは閉鎖花から誕生した種子のようだ。

▲ こちらは花の蕾、だから開放花から誕生した種子。

▲ 種子の細い側に付いている白いものは「種沈・エライオソーム」
零れた種子を運搬をしてくれる蟻へのご褒美・お駄賃で、蟻はそのエライオソームの甘さが欲しくて巣に持ち帰り
自分たちには不要の種子そのものは巣の外に捨てる。
ホトケノザは、自分で動けない場所まで蟻に運搬して貰う為のお駄賃を用意している。▼

ホトケノザ(仏の座) シソ科オドリコソウ属 Lamium amplexicaule
(2020.01.24 北王子町)
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2 コメント

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すごいですね (こいも)
2020-01-26 00:28:52
林の子さん
ホトケノザの雌しべ・・・こんなにはっきりと見られるなんて
何と素敵なことでしょう~
『雄しべの花粉が無くなり黒く見えるころを目当てにする』
こいもも根気よく探してみたいです。
雌しべを見つけるのも大変なことですのに
それをまた綺麗に撮らないといけませんし
相当な根気が必要ですね。
種子のこと・・・
「種沈・エライオソーム」のこと・・・
零れた種子を運搬をしてくれる蟻さんへのご褒美ですよね。
蟻さんは喜んでくれるしホトケノザにとっても嬉しいことなのですね。
雌しべと種子・・・興味津々です。何だかとっても楽しそうです。
閉鎖花と開放花を持つホトケノザ…
とっても素敵なお花ですね(^_-)-☆
雌しべ…ジッと見つめさせていただきました。
ありがとうございました。
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寒い日にはシンドイですが。 (林の子)
2020-01-26 13:09:54
春になればもう少し楽になるでしょうが、やはり真冬は暖かい日が続いても
外で一時間近くホトケンザと対峙しているのはシンドイ事ですね。
この画像のホトケノザは日だまりのような場所に広がっているのを探していましたが
それでもやはり寒さが身に染みました。
酔狂な事ですが、思い立たないとこんな画像は撮れないな…と思いました。
根気以上に、寒さが堪える時期には根気以上のものも要るのでしょうね。
覚える事も多いのでしょうが、身近にある雑草は何度も見ることが出来るし
見ている内に何となく解ってくることも多いので楽しみです。
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