HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

クワ ヤマグワ(山桑)

2018-06-09 | 夏 樹木 果実・葉

ほぼ根元から伐られてしまっていたこのヤマグワだけれど
新しい枝が伸び、葉も茂って花もつけた。
たぶん次の年にはかなりの大きさにまで育つのだろう。

今は新しい枝に新しい葉が次々と広がっている。














(2018.06.08 船上)

ヤマグワのめしべは長い花柱に2裂した柱頭
マグワのめしべにも同じように花柱は
2裂しているが、果実になると殆ど目立たなくなる。
果実はいずれも集合果。
ヤマグワの果実には長い花柱と柱頭が残るが、マグワの果実には僅かに柱頭の痕跡だけ。
いずれも完熟すると甘くて美味しいが
ヤマグワの果実には花柱が残っているので口当たりが良くない。
と、昔、摘まんで食べた記憶がぼんやりと残っているだけ。

ここのヤマグワは1㍍足らずの位置で伐られたけれど
新しい葉を付け、花も咲いた。




▲ 葉の形が違っているのを「異形葉」と言う。
古木になると異形葉が出ないのではなく、古い幹から伸びた本年枝につく葉には出る。



▲ ヤマグワの異形葉。葉の展開初期には葉はかなり尖った姿で切れ込みがハッキリ見える。
育つに従って本来の丸い葉に育ってゆくというのは俗説。
そのまま残っているのだが、枝は伐られることも多いので見られなくなる。
植栽では無いカクレミノ(隠蓑)などは伐られないので次の葉と入れ替わるまでは残っている。▼








▲ マグワは雌雄異株、異花だが、ヤマグワは稀に雌雄同株、異花。
ここでは同じ株に雌花と雄花が咲く。 ▼


(2018.04.21 船上)




▲ 雄花、ここでは数が少ない。

▲ 長く伸びた花柱の先に2裂した柱頭、果実になるとこの花柱が口触りを悪くする。▼







ヤマグワ(山桑)
 
クワ科クワ属 Morus bombycis
(2018.04.17 船上)
【異形葉】 何故本来の姿ではなく同じ枝に違った形の葉が出てくるのかは解明されていない。
クワやカクレミノ、古木になると棘がなくなった丸い葉が増えるヒイラギ
強く刈り込まれると棘のある葉が出てきて「先祖返りしている」と言われるカイヅカイブキなどが知られている。
樹ではないけれど、ノブドウの二種(切れ込みの深いものはキレハノブドウとも呼ばれる)同じように「異形葉」と呼ばれる事がある。


▲ ヤマグワの冬芽・葉痕
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去年の花 去年の果実 稲荷廓のクワ マグワの冬芽 



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