HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

ジンチョウゲ

2006-03-09 | 【独り言】

金木犀と共に、この花には二つの記憶
どちらも、高校時代の懐かしい記憶

奈良女子大学に入学が決まった後輩にお祝いを告げに訪れた早春の夕暮れ
「公園散歩に行こう??、おかあさ~ん、公園へ行って来る。
夕食は後でいいから。心配しないで、なかたにさんと一緒だから…」

夕食前にも関わらず明石公園を散歩したいと言う彼女に引っ張られて
広い公園を一周しての帰路だった
北向き地蔵の前で
『一人で帰れます。ここでお別れした方が…、そうすれば同じ頃家に着けるでしょ?
だって一人でお帰りになるなんて寂しいわ…』
などと、彼女らしくないしんみりした口調で話すのを無視して
公園から上の丸側に出て、太寺に抜けた辺りだった

「ジンチョウゲが匂ってる、どこからだろ?」
『ほんと…、でも私はチンチョウゲって言う方が好き』

「沈香と、丁子の香を合わせた位の良い香りだから
付けられた名前、だからやはりジンチョウゲ……」
彼女は、好き嫌いを見事にはっきりと口にする性格だったから
案の定、こんな言葉が返ってきた
『それはそうでしょうけど、私はチンチョウゲと言うほうが好きだわ』

だから今でもこの香が漂ってくると、この懐かしい夕暮れの散歩が浮かび
自分の主張をはっきりと口にする才媛を思い出す

【追記】この記憶には幾つもの間違いがある。
震災直後に一気に書き殴った古い記憶が「ロマンチストの独り言」として残っているのだが
その中に『金木犀と沈丁花』の小文がある。
それによるとジンチョウゲと名付けられた意味のことを話してはいない。
「沈香と、丁子の香を合わせた位の良い香りだから…… 」の件も、丁子のような花姿と言うべきだ。
記憶頼りに綴っているとやはり言葉の一つ一つは都合よく?書かれていたりするということだ。


コメント    この記事についてブログを書く
« サンシュユ | トップ | スミレ »

コメントを投稿

【独り言】」カテゴリの最新記事