ユキノシタ科タコノアシ属 Penthorum chinense
絶滅危惧II類(VU)の指定されている。
タコノアシ、蛸の足の吸盤。
河川の改良工事や大規模な土地造成などによって生育地が減少し…、
ほとんどの水生植物、水辺植物は、絶滅が危惧されていることをその言葉で語られる。
都市化は、自然の破壊と引き換えなんだから…、
そう言う人たちも、片方では「自然を取り戻そう」と叫んでいる。
おまけに、かわいいから、きれいだからと買って来た水生植物や動物を、増えすぎたから、飼えなくなったからと自分勝手な理由で水田や小さな流れに捨てる。
そのことが、生態系にどれだけの害を与えているのかを、自分勝手な人たちは知らない。
ミクリを前にして話していた時の、園長・熊坂さんの言葉が浮かんでくる。
『なかたにさんの言うとおりですよ。私も、田舎の景色は残したい一人ですね。
余計な部分まで土地造成しないで、開発する場所のほんの一部分でも残せば、
そこにすんでいる植物たちは、随分助かるんですけど…。
このミクリも、ハスが育っていた場所にあったので、どうかなぁ~と思ったけど、やっぱり増えましたよ。
でも、勝手に人の土地に捨てちゃぁダメですね。
あの、ホテイアオイなんて、私は見るのも嫌ですよ。
自然破壊の最たるもの、そんな気がしますね。
園の売店でも売ってますから、注意はしますけど…』
(2006.08.29 大船)
【追記】 ホテイアオイ あちこちの休耕田で土壌改良・水質浄化に役立つと栽培が盛んになっているし、
観光用に植えられた場所も新聞に載る。
枯れた冬の姿は見るに耐えないけれど、人はきれいな部分だけを取り上げるからだ。
しっかりと手が入るところでは、その効果も充分に得られるだろうから問題は起こらない。
問題なのは、自分の庭や学校などで栽培しているものを平気で遺棄することだ。
花は確かにきれいだけれど、生態系を乱すことには変わりない、そのことを認識しないといけない。
このタコノアシとホテイアオイの住む環境は違っているから、問題は無い…とは思うけれど。
タコノアシの姿を見て、牧野原色図鑑でのユキノシタ科の分類を奇異に感じていた。
以前はベンケイソウ科に分類されたりしたが、現在ではタコノアシ科として独立した分類が提案されているようだ。
☆
瀬上で見つけて以降、ついぞ見たことのなかったこの花。
明石川を遡った平野辺りや、その上流の押部谷・藍那周辺の流域には
まだ残っているのではと聞かされたけれど、平野橋周辺も
道路拡張工事ですっかり整備されてしまって期待はできない。
ただ、淡路島で自生地を御存知だとおっしゃった白石さんには、
来春案内していただけることになっているので楽しみにしている。
(2009.12.14)
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一昨日瀬田フラワーランドに散歩に行った時に
茹で上がったばかりのような真っ赤な「蛸の足(タコノアシ)をとったので今日ブログにアップするつもりでいます。
(全体の姿ではなく上のほうの部分なのですが)
フラワーランドでは小さな人口の池の中に
鉢植えにして「タコノアシ」を保護しています。
ユキノシタ科だったのですね。
何度も通いましたから、時には「雑草」だけを撮りに出掛けた場所でした。
手入れされていない場所を見つけて、手つかずの雑草を撮る…
小石川や木場でも同じような場所を見つけて喜んでいました。
タコノアシ、秋の姿は文字通り…ですね。
ロシナンテさんが見つけた瀬上の自生地はどうなったか気になります。
少しだけ水をかぶるような場所が自生には適するようなので、
周辺の明石川を遡行したいと思っています。
分類の方ではユキノシタ科から、タコノアシ科に独立させる考え方が主流になっているようです。