キンモクセイもジンチョウゲも、花を探すことは要らないだろう。
何処から匂ってくるのだろう…そう感じているだけで充分だ。
秋の深まりとキンモクセイは、何とはなしに物悲しさを感じる。
寒さに耐えた後のジンチョウゲは暖かさへの憧憬を感じる。
誰にも残っている、それぞれの記憶。
キンモクセイは、山内記念図書館から家庭科教室への道すがら、
夕陽が三号館の向こうに広がる田んぼに落ちる頃、一番匂っていた。
キンモクセイ(金木犀) モクセイ科モクセイ属 Osmanthus fragrans var. aurantiacus
(2009.10.10 明石)
☆
玉津南墓地から、明石公園に入った。
そこには3本の金木犀の大樹がある。咲き始めたばかりだ。
剛ノ池の北、子どもの村と名付けられた広場の周囲にはぐるりと金木犀が植えられている。
かつて桜並木が続いていた道は、毛虫坂と呼んでいた。
今も当時のままの緩やかな小道が剛ノ池に向かって続いている。
☆
明石川から、伊川を遡ってもう一度ミゾソバを撮っての帰路、
明石公園を抜けてまた明石川に戻った。
川の東岸にある大観幼稚園の建物の北側、日当たりは良くないけれど、
ウスギモクセイが一本、キンモクセイと並んで匂っていた。
ウスギモクセイ(薄黄木犀) モクセイ科モクセイ属 Osmanthus aurantiacus Nakai var. thunbergii Honda
キンモクセイ・ギンモクセイ画像16枚追加 (2009.10.16-17 明石・大明石町)
キンモクセイ画像14枚追加 (2009.10.20 明石)
キンモクセイ画像3枚追加 (2009.10.19 須磨)
☆
キンモクセイは、本来は雌雄異株。中国から持ち込まれたのが雄株なので、果実は出来ない。
それが定説になっているそうだが、全部雄株と言う事は、日本に育つキンモクセイは全てクローンと言う事になる。
作出されたソメイヨシノの同じで、実生種は無いのだから全部がクローン種と言うのも確かにありだろう。
だからだろうか、長寿の木犀というのは多くがウスギモクセイだと言うのも納得出来る。
それでもまだよく分からないのは、もともと日本には今キンモクセイと呼ばれている種類は存在しなかったのかと言う事。
或いは、原産国と言われている中国から、雌株が持ち込まれはしなかったのかと言う事。
日本では「金木犀の花」だけれど、中国では総称としてのモクセイは単に「桂」
だから、キンモクセイは「丹桂」、ウスギモクセイは「金桂」、ギンモクセイは「銀桂」と呼ばれている。
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香りで呼ばれたような気がするキンモクセイですから
一番最初に咲くのかと思いましたが
ギンモクセイの方が先だったのですね。
花色も香りもギンモクセイは控えめな感じがしてしまいます。
ウスギモクセイもあるのですね。
キンモクセイとギンモクセイの中間の色合いですね。
ウスギモクセイにとても逢いたくなってしまいました。
何やら難しそうですが果実も見てみたくなりました。
元々あったものに、人間はもっとよくしたい…との欲望を持つので
次々と新しいモノを作り出してそれが増え続けているのでもっと色々です。
身近にあるものだけでも大変なのに、作り出されたものを追いかけると
際限が無くなってしまうので、雑草辺りで手を打っています。
それでも匂いに惹かれると、モクセイでも取り敢えずは三種類。
ギンモクセイとヒイラギの交配種、ヒイラギモクセイを加えて四種類ですから何とかなるでしょうね。
キンモクセイが終わる頃、ヒイラギの花が匂う前には匂い始めます。
ヒイラギモクセイを加えて4種類の特徴を書いておきました。
色々ありがとうございました。
それぞれに名前が付けられているというのは
それぞれに何かしら違いがあるからでしょうから
キンモクセイを覚えたついでに、白いギンモクセイ、白では無い花を見つけたらウスギモクセイ。
白い花だけど刺のハッキリした葉を持つのを見つけたらヒイラギモクセイ。
その後で、よく見ているヒイラギの葉、花が咲くと冬…。