複雑に見える難しい構造の果実だけれど
一つ一つ解析すると植物の勉強に役立つのだと聞いた。
かなり昔の話だけれど画像だけでは無理がありそうだと感じながら
それでも何度も同じ場所で
アオギリの果実の頃を撮っている。
【被子植物の観察に相応しいアオギリ】
アオギリの果実は実に奇妙な姿を見せる。
この奇妙な果実は『子房部分が5枚の心皮(花葉)から出来ている』ことに由来していると書いてある。
例えば、リンゴでは果肉を食べてしまうと芯が残る。
その芯に相当するのがこのアオギリの果実で、果肉が無いだけのこと。
芯には種を包んで薄い殻があるが、それがこの5枚の葉のようなものに相当する。
心皮は元々は葉だったものが、複数枚集まって雌しべになったもの。
リンゴも横に切ってみると芯の部分は五角形(星型)で、アオギリ同様5枚の心皮から成っている。
心皮は袋状になっていて、種子が稔ってから散布のために割れるのが普通だ。
アオギリの果実は出来たての頃はひとかたまりになっている。
それが少し熟してくると先端部分だけひっついたまま5つに分かれる。
もう少し熟すと完全に5つに分かれる。
この段階では袋状になっていて、中の種子は緑色をしている。
さらに熟して来ると、果実は割れて茶色く皺の多い種子が飛び出してくる。
種子はそれぞれの袋の端について熟す。
種子は普通、心皮の端にできるから、変な場所に付いているのではなくこれが普通だ。
マメの鞘は1枚の心皮が丸く筒状になったので、割ると合わせ目の部分に種子(豆)が付いている。
こんな解析を何度もブログに書いている。
▲ 子房を作っていたのは五枚の心皮(花葉)、果実が開くとその一枚一枚が種子散布の役割を担う。
未熟な緑色の種子がその心皮の周囲に付いている。▼
▲ 「子房部分が5枚の心皮(花葉)から出来ている」ことが分かる。
アオギリ(青桐、梧桐) アオイ(←アオギリ)科アオギリ属 Firmiana simplex
APG分類体系では、アオギリ科、シナノキ科、パンヤ科はアオイ科に分類変更されている。
(2018.08.17 明石西公園)
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▲ アオギリ、花の頃 アオギリは雌雄同株、異花。
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春の花盛り 秋の果実 冬姿 冬芽・葉痕
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