ＫＤＤＩ（ａｕ）の携帯電話加入者が米アップルの「ｉＰｈｏｎｅ」の販売開始を受けて大幅に増えている。
通信会社を変更しても同じ電話番号が使える「番号持ち運び制度（ＭＮＰ）」の利用件数は、ＫＤＤＩが１０月末で７万件弱の転入超過と、９月末の８７００件の転入超から大幅増になったもよう。
●２年２カ月ぶり首位
１０月末のＭＮＰの利用件数はＮＴＴドコモが７万４０００件の転出超で、ソフトバンクモバイルは転入超を確保したとみられる。
ＭＮＰの転入超過件数でＫＤＤＩが首位になるのは２００９年８月以来、２年２カ月ぶりとなる。
ｉＰｈｏｎｅの最新機種「４Ｓ」は１０月１４日、国内でｉＰｈｏｎｅを実質独占販売してきたソフトバンクに加え、ＫＤＤＩも販売を始めた。
ＫＤＤＩはＭＮＰでの転出超が続いていたが、ｉＰｈｏｎｅ販売開始を控えた９月末に１８カ月ぶりに転入超に転じていた。１０月に入り、一気にｉＰｈｏｎｅ効果が表れた。
９月末に３万５８００件の転入超だったソフトパンクは、ＫＤＤＩ躍進のあおりで１０月は転入件数を減らした。ｉＰｈｏｎｅ４Ｓの在庫がＫＤＤＩ以上に十分に確保できていないことも響いたもよう。
ドコモは年末商戦向けの新機種投入を控えていたこともあり、ＫＤＤＩとソフトバンクのそれぞれに３万件以上利用者が移った。その結果、転出超の件数は９月末（４万５０００件）から大幅に増えた。
●競合激しさ増す
ＭＮＰの転入超の件数に新たに携帯電話に加入した契約者らも合わせた１０月末の純増数では、２台目需要などを取り込んだソフトバンクが１９カ月連続で首位を確保したもよう。
今後ＮＴＴドコモのスマートフォンの冬モデルなどが順次投入されるため、年末に向けて各社の競合はさらに激しさを増しそう。
【記事引用】 「日本経済新聞／２０１１年１１月８日（火）／９面」
