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KDDI、ウィンドウズフォンの販売開始 マイクロソフト、スマートフォン市場で反攻

2011-08-27 |  KDDI



 米マイクロソフト(MS)がスマートフォン市場での巻き返しに動き出した。

 KDDI(au)が25日、MSのスマホ向け基本ソフト(OS)「ウィンドウズフォン」の最新版「7.5」を搭載した端末の販売を始めた。

 スマートフォン市場は日本でも米グーグルと米アップルが2強体制を築きつつある。MSはオフィスソフトやネットサービスとの連携強化を売り物に、2社体制を切り崩す考え。


●一から作り直した新OS

 「スマートフォンのあるべき姿を考えて、一から作り直した全く新しいOS」。

 東京都内の家電量販店での発売イベントに臨んだ日本マイクロソフトの樋口奉行社長はスマートフォン市場での反攻に向けた意欲をこう表現した。

 発売した富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製の新端末「IS12T」は、「7.5」を標準搭載した世界初の端末。3.7型液晶画面を搭載した防水仕様で、価格はオープンだが、新規契約時の実質負担額で3万円台半ばの見通し。

 アップルのiPhoneやグーグルのアンドロイドOSを搭載した端末と違うのが、タイル状の大きなアイコンが並んだ操作画面。交流サイト(SNS)の「フェイスブック」や「ツイッター」を使いやすくしたという。

 MSの各種クラウドサービスとの親和性も嵩い。「スカイドライブ」と呼ぶファイル共有サービスを無償で使え、パソコンとスマホの間で簡単にファイルを共有できる。

 撮影した写真を自動的にネット上に保管する機能も備える。業務クラウド「オフィス365」との連携機能なども備え、ビジネスパーソンなどからの利用も想定する。

 ただ、現状はアプリの数が約3万と少ない。アップルの42万5000やグーグルの25万に比べて大きく水をあけられた。

 樋□社長は「最重要課題と認識しており早期に増やしていく」とするが、アップルやグーグルも依然としてアプリの数を増やしており、差を縮めるのは容易ではなさそう。


●採用端末の拡大課題

 採用端末の拡大も巻き返しに向けた課題として残る。海外メーカーではフィンランドのノキアや台湾のエイサー、中国ZTEが7.5の採用を表明しているが、どの程度参入企業が広がるかは不透明。

 一方、アンドロイドはグーグルによる機能強化のペースが速く、メーカーの開発負荷は高いが、ウインドウズフォンに比べて使い勝手や操作性を独自に工夫できる余地は大きい。

 折り畳み型スマートフォンも登場しており、利用形態に応じて端末を選べる多様性が大きな魅力。半面、端末の種類によってはアプリが動作しないなど知識がなければ使いこなしが難しい面を残す。

 初心者を中心に今も加入者を伸ばすのがiPhone。直感的に使える操作性の高さもあり、女性や高齢者など幅広い層に人気。

 初代機登場から4年が経過し、「完成度が高まってきた。利用者も増えてきたので、使い方が分からなくても回りに聞けばすぐ解決できるので初心者には心強い」(携帯ジャーナリストの石川温氏)点などが評価されている。

 快進撃には端末価格や通信料金の安さも寄与している。アンドロイド端末は3万円前後が中心に対し、iPhoneは実質負担0円で入手できる。毎月の通信料金もアンドロイド端末に比べて1000円前後安い。

 顧客獲得に向けた競争激化で、選択肢の多様化は今後も続く見通し。ユーザー側のニーズをうまく取り込めるかどうかが、シェア争いを左右しそう。




【記事引用】 「日経産業新聞/2011年8月26日(金)/3面」


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