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次世代携帯電話方式LTE、アジア・中東へ拡大 大規模実験、商用サービス開始相次ぐ

2011-05-28 | LTE/4G/XGP



 欧州や米国で先行した次世代携帯電話方式LTEが、アジア・中東へ広がりを見せている。

 アジア勢では香港のCSL、NTTドコモがそれぞれ昨年1月と1月に商用サービスをスタート、フィリピンのスマート・コミュニケーションズも先月サービスを開始し、その後続々と実験を始めている。


●商用サービス12年見込む

 4月末で2Gと3G両サービスによる加入者数が9億を超えた中国では、最大手の中国移動が、NTTドコモなどのFDD(周波数分割多重)-LTE方式とは異なるTD(時分割多重)-LTE方式で北京、上海、南京など、大都市に1千局以上の固定局を設置して大規模実験を実施中。

 商用サービスは12年を見込む。中国電信も12年にサービス開始を予定する。聯通は商用化を公表していない。

 FDD-LTEは、上り(携帯電話機から基地局)回線と下り(基地局から携帯電話機)回線に異なる周波数チャンネルを使い、TD-LTEは、同一の周波数チャンネルを時分割で切り替えて上りと下りの通信を行う。

 台湾では、中華電信(CHT)が、10年10月からアルカテル・ルーセントのインフラを使い2.6GHzと700MHzの両方の周波数帯でLTEの実験を開始。

 CHTは周波数帯の空き状況次第で、12年の商用化を計画している。遠伝も中国移動と共同で、台北市内でTD-LTE方式の実験中。

 韓国のSKテレコムは7月にソウル市内で商用化をスタート、13年中には全国で展開、KTは年内にもLTEへの取り組みを明らかにするとしている。

 シンガポールのスターハブは、2.6GHz帯での実験を終了、シングテルも実験中だが商用時期は未定。フィリピンでは、スマート・コミュニケーションズに続き、グローブテレコムも実験を行い、来年中のサ-ビス開始予定。


●LTE加入者1600万人に

 インドでは、リライアンス・インタストリーズ(RIL)が年内にTD-LTE方式でサービス提供開始を予定している。

 スリランカでは、ダイアログ・アキシャタが今月5日からコロンボ市内で実験をスタート、スリラン力・テレコムモビテルも同6日、2.6GHz帯で最大96Mbpsの下り速度を達成して成功裏に実験を終えた。

 しかし、商用化の時期については両社とも未定。中東では、アラブ首長国連邦(UAE)のDU社が年内の商用化開始に向け、端末や各種周辺機器のメーカー選定を急いでいるという。

 LTEサービスは、今後世界で普及することは確実。米ABIリサーチは、世界のLTE加入者数が世界で1600万に達すると試算している。




【記事引用】 「電波新聞/2011年5月27日(金)/2面」


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