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NTTドコモ、SIMロック来春解除へ LTE設備投資、2年前倒し

2010-07-06 |  NTTドコモ



 NTTドコモの山田隆持社長は6日、日本経済新聞の取材に応じた。

 2011年4月以降に出荷する全ての携帯端末について特定の通信会社でしか使えないように制限している「SIMロック」を解除する機能を搭載する方向で準備していると明らかにした。

 総務省はSIMロックを解除する指針を示しており、最大手のドコモがいち早く対応に乗り出すことで通信各社も準備を迫られそう。

 また、次世代携帯電話サービスの設備投資約3000億円を2年前倒しで実施する計画も示した。


●他社動向が焦点

 ドコモは11年4月以降に出荷する端末にロックを解除することのできるソフトを盛り込む。利用者の要望に応じて販売店の窓口で解除を受け付ける方針。

 SIMロックの解除により、利用者は契約情報などが入った「SIMカード」を入れ替えれば機種を変えずに通信会社を自由に選べるようになる。

 例えば、同社のスマートフォン「エクスペリア」などの端末をソフトバンクの通信回線を使って利用できる可能性がある。

 ただ、ドコモだけがSIMロックを解除しても、契約者の流出につながるだけになるため、今後はソフトバンクなど他社の動向が焦点となる。

 ソフトバンクは一部端末で解除を検討する方針を示すにとどまっている。

 通信回線の品質で強みを持つドコモは率先して解除に乗り出すことで、他社の解除も促し、米アップルの端末などの人気機種をドコモの回線利用への呼び水としたい考え。

 またドコモは10年末にサービス開始を予定する「LTE」について、当初は基地局の整備に14年度までの5年間で約3400億円を投資する計画を前倒しし、12年度までに約3000円を投資する。

 基地局整備を早めることでスマートフォンなどの通信需要の増加に対応する。


●SIMロック解除で契約者呼び込み

 NTTドコモがSIMロックの解除を急ぐのは、いち早く解除に対応することで業界全体の端末融通を加速し、契約者を呼び込むため。

 総務省は6月に指針(ガイドライン)を示し、通信各社にSIMロック解除を呼びかけた。解除により端未開発の自由化や海外での利用拡大につなげる。

 ただ、SIMロック解除によって携帯電話端末を相互に利用できるようになるのは、当面はドコモとソフトバンクだけとなる。

 国内携帯各社の中で、KDDI(au)のみは違う通信方式を採用しており、各社がロックを解除してもKDDIの端末を他の通信会社の回線でつかうことはできない。

 このため、KDDIはSIMロックの解除について世界の通信方式が統一される次世代携帯電話サービス「LTE」に移行してからとなる見通し。

 また、携帯各社は契約者囲い込みのため「iモード」など通信会社特有の機能を拡大しており、SIMカードを入れ替えるだけではメールなどのサービスを利用できないなどの課題もある。

 当面、SIMロック解除による端末の相互利用はスマートフォンなど汎用性の高い端末に限られるとみられる。焦点となるのは、契約者を急速に伸ばしているソフトバンクのiPhnoeだが、同社が解除に応じるかは不透明。




【記事引用】 「日本経済新聞/2010年7月6日(火)/1面」


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