ITインフライターが日経産業新聞を読み耽る

ITインフライター(ITライター兼インフラエンジニア)のぐっちょんが日経産業新聞で日本の経済や産業を変える人を追いかける

ITでイチゴ通年栽培 温泉と雪で温度調節 日立システムズと群馬・みなかみ町…

2016-02-29 19:28:41 | NewsPaper
過疎地での農業をITが支援できれば
地方創生にもつながるという考えですね


本日の日経産業新聞から9面のデジタルトレンド欄からこの記事をピックアップ
『ITでイチゴ通年栽培
 日立システムズと群馬・みなかみ町
 温泉と雪で温度調節』

日立システムズがITを活用した
イチゴ栽培の支援事業を始める

という記事

群馬県みなかみ町と共同で
2016年度からビニールハウス
1棟分程度の規模で実証実験を始める

イチゴ栽培は寒暖の差が重要で
シーズンをずらして栽培するには
空調費などのコストが高くつく

みなかみ町は温泉やスキー場などの観光産業が中心で
豊富な温泉資源と積雪量がある

冬季に貯蔵した雪を利用した冷気や
温泉の熱を使った熱風をビニールハウス内に流すことで
温度調整にかかる電力使用量を抑える

http://www.hitachi-systems.com/news/2016/20160229_02.htmlより

…と聞くと、これはグリーンITをベースとした
データセンターの設計手法に似ていると感じた次第です
ビニールハウスとデータセンターには
共通項があるというわけですね


日立システムズは実験を通じて、通年栽培にかかるコストを試算
収益化のめどが立てば、規模を拡大して2018年度に10㌶ほどにする計画

イチゴの通年栽培で得たノウハウをもとに
生産品目の多角化も検討

みなかみ町自体が人口減少にあり、現在500㌶ほどの休耕地を抱えるが
大規模に手を加えなくても農耕地として再生可能な140㌶程度を
多品目の生産へと功を奏しそうです

また、みなかみ町は観光産業が盛んではあるが
季節によって旅行客の繁閑が多いということもあり
イチゴの通年栽培を新たな産業の柱とすることで
観光の閑散期に雇用の受け皿として活用したい
意向もあるわけです


記事では、昨今のスマート農業について論じています
実証実験や小規模での事業運営であるのが現状で
1年間の栽培回数の制限によってデータを短期間で
集めていくのも大変なようです

とはいえ、地方の農家は後継者不足に悩み
ITで熟練の技を継承したいというニーズはある
画期的だと感じるアイデアを記事でも多く見かけますが
時間をかけてその土地で続けられるものが
望まれているというわけですね

されどまだまだITが農業に貢献できることはありそうなので
スマート農業に関する記事は絶えず追いかけて
ここでも取り上げていく次第です