久々に試写会の抽選に当たってしまった。しかも、今話題の『今、会いにゆきます』を。原作は一度読んだことがあったので、あの内容がいかに2時間前後に凝縮されているのかが気になってしまう。原作者の市川拓司はファンタジー系の作品が多いのだが、この作品の種明かしは思いっきりファンタジーである。え、そうなるのっていう感じで、自分もそんな体験をしてみたいかといえば、自分の未来を見るのはなかなか怖いもので、遠慮してしまうだろう。全体的なストーリーはあえて書かない。原作から後半の3分の1がごそっと削られている。カギとなる印象的な人物が出てこない。しかし、そのかわりといってはなんだが、松尾スズキと小日向文世によって新たな登場人物が加えられ、作品がおもしろく仕上げられている。クライマックスシーンでは周りの観客からどこからともなく鼻をすする音が聞こえてくる。必ず別れがくるとわかっていても、泣いてしまうのだろう。どこか客観的に書いてしまったが、もちろんこの作品が素晴らしいのは言うまでもない。