森かずとしのワイワイ談話室

平和・人権・地球・子育て・教育・くらし・そしてまちを語る

災害廃棄物受け入れ可否調査報告

2012-08-01 13:11:49 | これでいいのか金沢・日本そして世界
 うだるような暑さが続く。昨日は、第143回の「社民党の声」でアピタ前と野町広小路交差点に経った。その足で、経済環境常任委員会を傍聴した。災害廃棄物の受け入れ可否検討会が行った現地調査が報告されたからだ。もう地元紙で報じられているので、詳細は讓る。

 結果は予想通りに「安全である。」だ。岩手県宮古市、大槌町でサンプリングした可燃がれきが、小粒子、大粒子ともに不検出、漁具漁網等の不燃廃棄物からは数十ベクレルの検出値という。原子炉等設置法に規定される100ベクレルに満たないということだ。これらの報告は、午後には市町会連合会に報告された。婦人連合会には、今日報告される。
 もう8月に入ったが、初旬には、検討会の報告がとりまとめられるという。結果の想定は見えている。
 しかし、議論すべき問題は、明確になっている。常任委員会でも問われたが、受け入れを検討していた各地の自治体が受け入れ検討の中止に転換している。それは、広域処理の必要がなくなったからだ。これは、6月議会で私も指摘してきた。がれき量の見直しによる減少、岩手宮城に設置された仮設の専用焼却施設のフル稼働だ。こうした状況から、細野大臣が見通しが立ったと宣言した。方針転換の自治体では、受け入れの必要なしと判断されたのだ。広域処理のコストや住民の不安除去、安全性確保と比較考量もされただろう。

 この時点で受け入れを決めたわけではない。しかし、受け入れの流れは加速している。国際放射線防護の基本原則は、放射性物質の希釈や拡散は禁止である。福島原発由来の放射性物質が果たして持ち込まれることにならないのか。サンプリングの方法、全数事前検査はできるのか、測定時間、セシウム以外の放射性物質、とりわけα線、β線を放出する核種の測定は行われるのか。骨に蓄積して骨の癌や白血病を引き起こすストロンチウムの拡散実態が、先週ようやく公開されたばかりだ。。微量、低線量内部被曝がより大きなダメージを細胞核、遺伝子に与えるとの研究データは考慮されるのか。6月議会では環境局長は、リスク評価つまり学説の多様性から危険度を深く検討することはしないと答弁している。原子力産業に都合の良い基準を適用して問題なしと押し切る構えだ。
 リスクコミュニケーションは、どこまで行われるのか。施設といっても、焼却なら東部、西部環境エネルギーセンター、焼却灰や不燃廃棄物は戸室新保埋め立て場となる。住宅地にある両焼却施設の周辺、さらには風による拡散をどこまで考慮するのか、それによっては、説明し、了解を得る地域は大きく拡大する。
 バグフィルターでの放射性物質の捕捉率は、実証されたものではない。埋め立て場での放射性物質の管理は完全にできるのか、しかも、下流には森本方面の河川の源流域がある。市職員等の被曝防護も課題だ。真剣に厳密に子どもたちの内部被曝を防ごうとしたら、あまりに課題は大きいと言わざるを得ない。
 近頃、野田首相に代表されるように政治家は、出来もしない、真剣にそうしようともしないのに、「責任をとる」おっしゃる。万年単位での放射能管理を自治体ができるというのか。放射能の問題をあまりに楽天的に扱っている。

 被災地住民との絆。美しい言葉だ。その裏側で、利権、放射性物質放出拡散の責任の曖昧化が進む。復興の遅れはがれきではないと言われる。がれきが持ち去られても、家や生活再建が出来るわけではない。ゼネコン大企業に復興費用が吸収され、被災者の失った富は戻ってくるわけではないからだ。客観的な情報は隠れたところにある。理性的な判断をしなければならない。 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。