森かずとしのワイワイ談話室

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第36回目の本会議一般質問

2012-12-10 23:20:20 | 議会活動
 肝心の本会議一般質問の報告を忘れそうだった。総選挙中の議会は、どの議員も疲労と、時間を気にしてそわそわしている。不謹慎ながら、睡魔との闘いでもある。私とて例外ではなかった。

 再質問無しの36回目の一般質問は、骨子を既に掲載している。答弁からいくつか。

・「世界交流拠点都市金沢」の都市像について、年度末までに市民の意見を聴く。
・原子力防災計画は3月までに策定する方針は変えない。課題は、被曝防護の体制で、40才未満の20万人分の安定ヨウ素剤を市立病院に集中配備するが、配布、服用のありかたには、国の基準が欲しい。次回の専門家会議で議論する。
・市教委の特別支援教育サポーター制度は、中学校修学旅行にも適用させる拡充にとりくむ。医療的ケアを擁する子どもの就学にあたって、スクールナースを配置することは、管理責任、施設面など課題が複数あり、現時点では困難と考える。
・国道157拡幅は、ほお区空間の安全確保。歩道拡幅と電線類地中化を行う。来年度に用地買収。
・寺町台寺院群の国伝統的建造物群保存地区指定と軌を一にし、西茶屋街と一体的な観光モデルプランを策定し、事業者と連携してモデル事業を行う予定。

 =以下、質問全文=

1.新たな金沢の都市像と来年度予算編成について
(1)新たな金沢の都市像について
 
 山野市長は、提案理由説明の冒頭で、「新たな都市像検討懇話会」が先月末に行った提言について言及されました。
 私は、3月議会において、県外有識者からなる「責任と誇りを持てるまち金沢像懇話会」の提言について、次のように評価しました。世代を超えた社会的包摂というコミュニティ論、自治意識による福祉環境平和都市、自治の歴史としての一向一揆100年の評価、都市の芸術文化力の価値づけ、経済活動と環境政策との統合、伝統文化と自然エネルギー、こういった考えには共感する。そして、金沢の将来像は金沢市民が主体的に議論し、市民的な合意を形成していくべきものだから、外から示された提言をどのように金沢主体の将来構想に発展させていくのかと、そのプロセスを伺いました。
 今ほど私が述べた「責任と誇りを持てるまち金沢像懇話会」の提言と今回の提言「世界の『交流拠点都市金沢』の実現」を読み比べますと、その世界観とも言うべき価値観において、いささか大胆さを失い、従来延長型のまちづくり提言に縮小してしまったような印象が否めないのです。地域で暮らす金沢市民が多様にもつまちの将来への潜在的な問題意識をどこまで反映できているとお考えか、市長にますは、今回提言された新たな都市像検討懇話会提言に対する受けとめをお伺いします。
 次に、その表題となっている「交流拠点都市金沢」の基本的なイメージとはどのようなものとして市長は受けとめておられるのか、お聞きします。
 ところで、現在、本市は、世界都市構想第2次基本計画の実施にとりくんでいるところです。市長は、この提言に示された骨子案にもとづいて、年度末に新たな都市像を策定したいと述べておられますが、平成27年度までの遂行を目指して策定された第2次基本計画との関係性、即ち「世界都市構想」に替わる新しい都市構想として、新たな都市像が策定されていくのか、改めて、その位置づけについてお考えをお聞きします。
 さて、私は、今回の提言「世界の『交流拠点都市金沢』の実現」の内容について、物足りなさを覚えると申しました。その都市像並びに重点方針に示された具体的な項目においては、金沢の歴史に対する認識、歴史、文化、教育をも含んだアジアや世界との関わりのあり方、産業創出における「著名人による」ネットワークのもつ意義、或いは、交流人口創出やまちの活性化の基盤でり、まさに都市の装置としての公共交通の大胆な構想が伺えないこと、さらには、コミュニティ活性化、市民参画の前提となる金沢の市民協働の現状分析などが不鮮明なままのように思われます。そうした創造の原点となる批判的な視点と、
行政にありがちなある種の無難さを飛び越えたような議論がさらに必要ではないでしょうか。新しい都市像の構築には、住民参加による活力が不可欠であることは論を待ちません。真に市民とつながる、市井で暮らす一般市民の中にある、まちに寄せる率直な問題意識や大胆な発想を取り込む議論の場が用意されるべきだと思います。都市像策定までの市民参加の手法についてどのようにお考えかお聞かせ下さい。
(2)来年度予算編成などとの関連について 
 これから、来年度予算編成が本格化します。新たな都市像の策定に併せて、その方向性を予算編成にも反映させて行かれるものと思います。その基本的なお考えを伺うと共に、財源確保の方策についても、財政環境に対する認識と併せてお伺いしておきます。
 この項の終わりに、今定例会には、地方分権改革一括法にもとづく条例制定権拡大に伴い、関連する40もの条例案が提出されています。これらの条例制定がいかに市民生活の向上につながっていくのか、また、これが予算の執行にどう反映されていくのか、とりわけ福祉関連部門における行政組織の機構整備や人員配置に新しい視点が必要になってくるのか、市民への説明に当たっての市長のご所見を伺います。
2.原子力防災計画策定の進捗について 
 福島第一原子力発電所においては、綱渡りの原子炉冷却、4号機の使用済み燃料プールの倒壊への懸念をはじめ過酷事故は未だ収束せず、県外避難者58000人を含め、10数万人の方々が、故郷を離れて、先の見えない不安な生活を余儀なくされています。全村避難の飯舘村では、住民による空き家の見回り活動が、緊急雇用対策事業として続けられていましたが、住民が離散して、地域コミュニティの再興は極めて困難な状況でした。
 この福島第一原発から30キロ以上離れた飯舘村の強い汚染は、旧来の原子力防災指針では想定外であり、原子炉建屋の水素爆発直後の放射性物質の大量放出時の風向きと地形によってもたらされました。さらに、SPEEDIによる拡散予想が行われていながら、住民に伝えられなかったことにより、無用の被曝を受けました。福島原発から50㎞に位置する二本松市では、市民の放射能測定室を運営するNPO法人「TEAM二本松」理事長は、情報隠しによって、小さな子どもたちを被曝させてしまったことを悔やみ、政府、自治体への厳しい責任追及の言葉を連ねました。
 福島県が実施した18才未満の子どもたちの甲状腺検査で、4割以上に何らかの異状が発見されていることに、私も強い衝撃を受けました。こうした現実を前に、停止中の原発再稼働は論外として、使用済み核燃料を敷地内に大量に持つ原子力発電所の事故から、住民をいかにして守るのか、国、地方自治体の責務の大きさを改めて認識せざるを得ません。
(1)原子力規制委員会発足と放射能拡散シミュレーションに関わって 
 こうした中、原発利権の共同体として「原子力ムラ」と揶揄された原子力安全・保安院が改組され、政府肝いりで原子力規制委員会が発足しました。しかしながら、発足早々、その委員の人選に問題ありと人事案件が国会で承認されず、正統性がないままスタートし、おまけに放射能拡散予測の丸投げや誤りが露呈し、早くもその信頼が大きく損なわれています。その内容においても、避難開始基準となる被曝線量が過大であることや避難範囲を狭く見積もっているなど、多くの批判に晒されています。
 この原子力規制委員会が、先頃、新しい原子力防災指針の原案を公表しました。この間、議論されてきた5キロ圏内の予防防護措置区域(PAZ)、30㎞圏内で防災計画を義務づける緊急時防護措置区域(UPZ)、さらに50㎞圏内に、放射性ヨウ素防護地域(PPA)が定められることになりました。原子力防災の基本的枠組みが示されたことを受け、各自治体では防災計画を実効性あるものとして策定していかなければなりません。
 そこで、まず、市長には、原子力規制委員会の発足と拡散シミュレーションに係る問題について、どのように受け止めておられるのかお尋ねします。
 加えて、国の指針がほぼ明確になったことを受けて、私は、原子力防災計画の前提となる志賀原発事故シミュレーションを、SPEEDIの端末を保健環境センターにもつ石川県において独自に行うよう再度求めるものですが、市長のご所見を伺います。
(2)本市原子力防災計画の策定について  
 さて、本市においては、今年度中の3月に、初めての原子力防災計画を策定する方針の下、有識者による検討会議を設置して、具体的な検討を進めていると認識しています。今ほど述べましたように、原子力規制委員会の動きが紆余曲折し、遅れたこともあり、計画策定が当初の方針通り、3月までに可能なのか、その進捗状況についてお答え下さい。
 また、検討会議の中で、何が主要な論点になっているのか、とりわけ、困難性のある課題は何なのか、その解決の見通しも含めてお答え下さい。
 50㎞圏に差し掛かる本市では、放射性ヨウ素防護地域としての対応が求められます。安定ヨウ素剤の服用が、福島県内でわずか1自治体に止まり、それも首長の判断によったことは、大きな教訓です。この事実経過について、市長はどう受けとめ、検討会議の中ではどのように議論されているのでしょうか。また、安定ヨウ素剤は市内全域で配備されるのか、とりわけ子どもたちへの服用の体制は、どのように議論されているのか、併せてお答え下さい。
3.ともに生きともに学ぶ教育について
(1)障害者基本法の改正における教育の課題について
 
 障害があるなしに拘わらず、地域で共に生きられる社会を目指すインクルージョンの流れが力強く前進しています。昨年8月には障害者基本法が改正されたのに続いて、今年に入って6月には障害者自立支援法が相次いで改正され、障害者総合支援法に改められました。この動きの背景としては、2006年に国連で採択された障害者の権利に関する条約の批准が、すでに100カ国を優に超え、障害者の人権保障において、世界の後発組に甘んじているところから、条約批准の制度的環境づくりが急がれているものと思います。
 ところで、障害者の権利に関する条約がそうであったように、日本におけるこれらの法改正には、差別の解消や共に生きる社会を希求する当事者や関係団体の粘り強い要求運動がありました。当事者たちを突き動かしてきた深い思いを市長はどのように受け止めておられるのかお聞かせ下さい。
 共生社会を目指すインクルージョンでは、様々な制度や施策に共通して、障害のある人に対する「合理的配慮」が不可欠だとされます。直接の障害福祉事業に止まらず、市政全般に亘って、この「合理的配慮」を具現化することが、即ち共に生きる社会へのステップアップであると言えます。市長は、この「合理的配慮」をどのように捉え、市政の中で課題を見い出しておられるのか、ご所見を伺います。
 さて、インクルーシヴな社会を形成するための意識は、教育の中でこそ培われます。金沢にとってのインクルーシヴ教育の進展に当たって、どのような課題を意識しておられるか、教育委員長にご所見を伺うとともに、金沢市特別支援教育指針改定のお考えはないのかについても、伺っておきます。
(2)特別支援教育サポーター制度について 
 今年度に入り、地域の学校に在籍する複数の障害のある児童生徒の保護者から、宿泊体験や修学旅行などの校外学習に、我が子を級友と共に親の付き添いなしで参加させたいとの要望が寄せられました。本市教育委員会は、本人の思いを尊重するだけではなく、学級集団全体の成長の機会を保障しようとの基本姿勢の下、生活介助や医療的ケアが必要となるいずれの場合も、特別支援教育サポーター制度をモデルケースとして活用し、状況に則した支援体制を講じて、子どもたちの願いを叶えました。「私のお誕生日は最高の誕生日になった。最高に楽しい二日間になった。」との作文からは、学級の仲間たちと一緒に宿泊体験が出来た喜びがあふれ、担任やサポーターの応援を受けながら、子どもたちがつながって過ごした姿をも垣間見ることが出来ます。
 しかしながら、これらのケースを通じて、本市が他市町に先駆けて導入した特別支援教育サポーター制度に、今日のニーズに対応できない制約があることが判明しました。それは、特別支援教育サポーター制度は、中学校の修学旅行への適用は制度外であること、医療的行為を行う人材を想定していないことです。今年度の対応は、保護者の努力、ガイドヘルプ事業所や訪問看護ステーションの好意などによって、特例的に乗り越えられましたが、そうしたケースへも対応できる制度へと拡充する必要が認められます。財源措置も伴った制度拡充に対する教育長のご所見を伺います。
(3)医療的ケアを要する児童生徒の支援体制について  
 今年度、野々市町では、日常の学校生活でも医療的ケアを要する児童が、地域の学校に就学しました。来年度は、白山市でも同様の意向が保護者にあると側聞しています。乳幼児の段階から療育制度によって別コースに乗り、特別支援学校等へと分けられていくことが一般的だったため、本市においては、まだ就学のケースはないようですが、インクルージョンが進展する中、その受け入れと支援体制の整備が急がれるものと思います。
 私は、先進地である豊中市を訪問し、教育センターの支援教育チームを視察しました。 地域の学校への就学を原則とする就学相談に長年とりくんできた豊中市では、医療的ケアを要する子どもの支援体制は、重要課題と位置づけられ、豊中市立病院をはじめ、関西圏の医療機関と連携して、市教委内にスクールナースを採用し、必要に応じて学校に配属する体制を整えています。医療や福祉保健部門との連携によって、学校にスクールナースを配置する新たな制度を本市においても構築するべき時代に入っていると考えますが、市長並びに教育長のご所見を伺います。
4.市民のつぶやきから 国道157号拡幅と伝建地区周辺地域の活性化について 
 地元にとって、長年の懸案であった国道157号の拡幅事業が国の直轄事業として決定されました。ここで、改めて本事業の趣旨並びに全容と、今後の事業の進め方についてお答え願います。
 さて、国道の拡幅と並行し、新野町商店街のアーケード撤去工事と電線類地中化が進められています。同時に、隣接する寺町寺院群を国の重要伝統的建造物群保存地区に指定する答申が出されるなど、周辺の景観、生活環境、そして商業環境が大きく変容しようとしています。その一方で、歴史を持つ野町弥生地区商店街連盟、新野町商店街ともに、厳しい経営環境に直面し、金沢のまちなかの玄関口としての現状を憂う声が寄せられています。
 こうした道路等の社会資本の整備を機会に、これらの商店街の振興が、行政と商業者、地元住民との協働によって進められることが極めて重要ではないかと思います。本市としての問題意識はどこにあるのか、また地元との連携について、この間の経過や今後の見通しについて、ご所見を伺います。
 ところで、新幹線金沢開業を念頭に、歴史都市としての金沢の魅力を高める必要性が様々な場面で語られてきました。寺町寺院群と西茶屋街を併せ持ち、さらには、隣接して雨宝院、犀星記念館をも有する寺町野町周辺エリアは、まちなかにも近く、潜在的には東の観光拠点に匹敵する歴史的観光資源に恵まれた地域であると私は考えています。地域経済の活性化にも通じる歴史的観光の拠点として、いかにして活性化させるのか、ここでも行政と事業者、住民が協働してその戦略を構築するとりくみが求められていると思います。市長の認識を伺います。
 終わりに、具体的に二点言及しておきます。今年度、本市は、寺町寺院群を紹介するパンフレット「静音の小径」を改訂しました。改訂版作成の意図とその活用方策について伺います。また、北陸鉄道の城下町周遊バスを犀川以南にも運行し、誘客を図るとりくみを、バス事業者との連携で進められないかとの意見が地元にはあります。当初予算の中で、西茶屋街、寺町・野田山観光誘客推進事業費が計上されています。その進捗についてお伺いします。

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