里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

絹さやの香りは別格サヤエンドウが収穫最盛

2024年05月18日 | 畑:豆類

サヤエンドウが収穫最盛です。


4月半ば頃の伸び具合や茂り具合をみると蔓ぼけ気味のようでした。
しかし、ほどなく花が咲き、5月早々には穫れ始めました。
昨年ほど早くはないものの例年より早いくらいになりました。
5月10日頃から急速に穫れる量が増え、今は莢が鈴成の状態になっています。


1ヵ月前くらいは、今頃は人の背丈を超えるくらいに茂るのではないかと推測していました。
茂ったときのことを想定し支える方法を考えていたところでもありました。
ところが、そうはなりませんでした。
意外なことにまだ人の背丈ほどにはなっていませんし、それほど茂ってもいません。


まったくの正常範囲で我が家の例年のサヤエンドウからみると物足りないくらい。


これなら支柱を立てる際にあれほど整理しなくても良かったかと思ったほどです。
これは一言で言えば水不足。
当地は4月下旬から異常なくらい降水量が少ないのです。そして気温が高い。
そこに一斉に花が咲き莢が肥大してきたため、栄養生長の方が劣ってきたのです。
過日、降雨があり大雨となった地方もあったようですが、当地はほんのお湿り程度で終りました。
それでも穫り頃の莢が沢山成っています。


肥大中のものから花収まりしたばかりのものも多い。


しかし、咲いている花は少なく、収穫が進むまでは一旦花が咲くのは停滞状態になります。


今月末には成り休みの状態になるでしょう。
樹勢の目印はうどんこ病ですが、まだ見えていません。
もし勢いを盛り返すことが出来れば再び花が復活してくるのですが、どうでしょう。
サヤエンドウは当地では通称「三度豆」。
大雑把に言えば秋播き春穫り、春播き夏穫り、夏播き秋穫りの3回穫れるからです。
しかし、今、秋播き以外に作っている方は殆ど見かけません。
エンドウは花芽が出来るのに低温が必要なため穫れる量が大きく異なるからです。
5月は田んぼの作業が忙しく収穫は専ら助っ人に頼りがち。今回は自分で穫ってみました。


サヤエンドウの別名は「絹さや」。
「絹さや」に対して「大さや」もかつて試しに作ってみたことがあります。
「オランダ大莢」や「フランス大莢」と言われるものです。
確かに大きく食べ応えはあるものの大味で香りが全然違います。
絹さやの香りは別格。
小生は香り大好き人間で、5月は山ウド、コシアブラ、野ゼリなど野性的な香りを楽しみます。
一方、サヤエンドウの上品な香りは別物。
小生の好きな野菜は多々あるものの一つだけ挙げろと言われれば躊躇せずサヤエンドウです。
サヤエンドウの香りを味わうには鮮度。穫ったら直ちに調理することです。
少なくとも穫ったらすぐにポリ袋に入れ冷蔵しないといけません。
大量収穫した場合は茹でて冷凍すれば香りはやや落ちるものの長期間美味しいサヤエンドウが楽しめます。
大概サヤエンドウは彩りや香り付けとしてのバイプレーヤー扱いです。
小生のこの時期の楽しみはサヤエンドウを主菜として食すること。
穫りがけのサヤエンドウを卵とじで心ゆくまで味わいたい。
これが半世紀以上前の忘れられないお袋の味なのでした。早いもので亡くなり23年経ちます。