里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

イネの生育は進んでいるが草刈りは厳しい

2023年07月21日 | 田んぼ

今年の梅雨期は異常に暑い。
6月から一貫して気温の高い日が続いています。
当地方の梅雨期と言えば一度や二度はヤマセの気圧配置が現れるのが普通。
今年はまだ一度もありません。雨が降っても気温が高い。
このまま真夏に突入するなら極めて珍しい現象です。
中干し中は何度か雨もあり不十分なまま終了となりましたが、イネの生育そのものは順調と言って良いのでしょう。
茎数は若干少ない気がしていますが。


気温が高いので草丈は伸びています。


これは良いこととばかりは言えません。丈が伸びすぎると倒れやすくなります。
穂が出てからの台風や大雨での倒伏のリスクはより高まるのです。
今、茎の中では穂の基になる幼穂が生長しています。


低温に遭遇すると最も危険な時期です。今年はその心配がないのは幸い。
低温の心配があれば水を深くする必要があります。
今年は水が無くなったら、渇く前に水を入れる間断灌漑で十分です。


病害虫も見られません。
しかし、天候だけは分かりません。各地で豪雨災害が発生しています。
昨年今頃は当地方も繰り返し大雨がありました。
今どきの作業の主なものは何と言っても雑草の刈り払い。


7月10日頃から畦や土手の刈り払い作業始め、ようやく終了します。
これから穂が出る時期に問題になるのがカメムシ。
斑点米カメムシと言い、穂に取り付き米の品質を著しく低下させます。
田んぼ周囲の雑草に潜み侵入するため雑草の刈り払いが不可欠です。
特に牧草やイネ科雑草の穂を好むので穂の出る雑草は特に要注意です。
穂が出る10日前までには刈り払いの作業を終える必要があるとされます。
遅れるとカメムシを田んぼの方に追い込んでしまい逆効果になるからです。
と言って早過ぎると再生して草は伸びてしまうので、期間は7月中旬の10日間くらい。
刈り払いは今年二回目ですが、今回は田んぼの周囲全て刈り払う必要があります。
いつも自宅から遠くのやりにくいところから始めます。
このような傾斜が強くやりにくい土手。下から。

そして上から。


幹線道路の大きな法面。


1回目の刈り払いに合わせ抑草剤(グラスショート)を散布しています。雑草の伸びが抑えられておりよく効いています。
根元から綺麗に刈ると薬の効力が消えるので、今年は葉の上部を刈るようにしてみました。


傾斜のある法面は足にきます。
今、目立っているのはヤブカンゾウ。方々に生えています。


全て刈り払います。ヤブカンゾウは再生力が強いのでまた沢山生えてくるでしょう。


それにしても今年は連日暑く、若い時のような訳にはいきません。一日4時間が限度。
干天の日中は避けたい。小雨模様くらいが丁度です。
毎度、自宅に近いこの辺りが最後。


まだ畑や屋敷周りが残っていますが、田んぼの周りは終了です。
これから穂の出る時期は最も気象の影響を受ける時期です
中庸なところの茎を1本剥いて、幼穂を観察してみました。
これが穂の元になる幼穂で、長さは13㎝と言ったところ。


これが茎の中で生長しているわけです。予想以上に大きくなっていました。
いわゆる「穂ばらみ期」ですが、花粉の出来る減数分裂期は終りに近いかもしれません。
早いものは20㎝くらいになっている可能性があります。
異常な高温が続いたため当然と言えば当然か。
数日中にいわゆる走り穂が出るでしょう。今月中に穂が出揃ってもおかしくありません。
穂の出る時期が平年よりかなり早まりそう。カメムシ防除の準備も急ぐ必要があります。