里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

今年もイネの穂が出始めたが

2020年08月03日 | 田んぼ

 イネの穂が出始めました。
 7月は日照不足と雨の連続でしたが、中では幼穂が着実に生長していました。とはいえ、幼穂形成期から見ると先月末くらいからポツポツ穂が出始めても良いはずなので、やはり7月下旬の不良天候でかなり停滞したようです。


 この田んぼは本当の出始め、いわゆる走り穂という状態です。全体を見渡しては出ているようには見えません。


 近づくと出始まっているのが見えます。


 こちらの田んぼは場所によって穂の出ているのが分ります。


 それでも注意しないと分らないかもしれません。


 近づけばはっきり分ります


 やや肥料が少なめだったところは穂の出るのが早まります。イネの栄養状態が完璧に均一ということはないので、多少のバラツキが出るのが普通です。


 花が咲いています。穂が出てもしっかりした花が咲くかどうかが大きな問題です。


 こちらの田んぼもざっと見渡しただけでははっきり見えません。

 走り穂が見える状態です。
 出穂期は半数の穂が出た時ということになっているので、我が家の今年の出穂期は8月5、6日になりそうです。昨年と比べると3、4日の遅れとなります。ここ数年では一番遅い。もっとも出穂期のこの程度の遅れは何の問題もありません。


 今年は6月までは概ね順調で、茎数も十分確保できました。中干しは不十分だったものの、7月になってからも外見上は平年並みの生育でした。
 7月は穂の元になる幼穂が育つ最も重要な時期です。我が家の田んぼも7月7、8日頃に幼穂形成期、低温の影響を最も受ける花粉の出来る時期「減数分裂期」が7月15,6日から7月24、5日くらいまでと思われます。
 はっきりとヤマセによる低温に見舞われたのは7月12日の日曜日からの1週間。ここが大きな問題です。
 障害を受ける目安とされるのは一日の平均気温が20℃以下又は最低気温が17℃以下の日が数日続くこと。7月12日から1週間は完全にこの危険な気温に一致します。
 この期間低温注意報が発令され、最低気温が15℃まで下がった日もあります。果たしてこのヤマセのダメージがどのように現れるか、それはもっと先にならないと分りません。お盆の頃になれば大分分ってくるでしょう。
 いつも、地勢的に当地方がヤマセの影響を一番受けます。ただ今年は最低気温12、3℃といった極端な低温にならなかったことと「減数分裂期」の最盛時からは少し外れたのではないかということが救いです。希望的観測ながら、冷害の象徴である「行灯(あんどん)穂」、中身が空っぽの穂が多発するといったことはないだろうと思います。
 しかし、7月の日照不足が半端ではないので幼穂の質が良いわけはなく、豊作は期待していません。当地方もようやく梅雨が明けたようなので、この後の天候が回復し、少しでも平年作に近づいて欲しいと願うだけです。
 穂が出た後も1ヵ月以上、受粉から稔りの時期とハードルが続きます。