里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

今年のイネの生育は平年並みだが中干しは全く不十分

2020年07月05日 | 田んぼ

 今年のイネの中干しは6月20日から始めましたが、全くの不十分のまま終了となりました。
 5月に、一時、極端な日照不足と低温で、生育はかなり停滞したものの、5月24、5日頃からは高温続きで、順調に生育し、分けつもかなり多くなりました。
 6月20日にはほとんどが目標とする1株の茎数25本に達したので、中干しに入りました。


 中干しは、田んぼの水を切ることによって、無駄な分けつをなくします。分けつが少ないと穂数が少なくなり、減収してしまいますが、多ければ良いというものではありません。多すぎると米の品質低下の原因になります。また、中干しは土に酸素を供給し根の活力を維持します。
 そして、何といっても田んぼの土が固くなることで秋の作業がやりやすくなります。中干しは、田んぼの表面に亀裂が出るくらいに乾くのが望ましい。そのためには晴天日が数日続くことが必要です。
 ところが、中干しを始めて2週間、曇天日と雨模様の日が多い。大雨の日もないけれども晴天日も僅かです。梅雨時なので当然とも言えますが、米作りからすると真逆の天候なのです。昨年も同様の天候でした。近年では一昨年が空梅雨できっちりと中干しが出来ましたが、そのような年は稀です。
 中干ししても田んぼは乾きません。
 茎数は十分です。茎数30本を越えている株もあり、やや過剰気味です。


 こちらの田んぼは未だ水が溜まっているところもあります。


 水はないもののぬかるんでいます。亀裂が出来るにはほど遠い。


 これでは、秋の作業が思いやられます。
 気温がそれほど低いわけではないので、イネの生育自体は平年並みか若干進んでいるかもしれません。
 今時分が、穂の元になる幼穂ができる時期に当たります。すでに始まっている可能性もあり、中干しは終了して水を入れる必要があります。もっとも雨で何をせずとも水が入ります。


 こちらの田んぼは水が入りました。


 今月はイネにとって最も大事な時期。この辺りはヤマセの直撃を受ければ冷害の危機に見舞われます。
 同時に畦や土手の草刈りの時期でもあり、炎天下も辛い。ほどほどに願いたいが、近年の気象は極端な傾向が強まっているようです。
今、九州が豪雨に見舞われており、昨年の台風19号豪雨が甦ります。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。