そぞろ神の物につきて―日本列島徒歩の旅の記録

  (2008年 日本海側)
  (2011年 四国八十八ヶ所)
  (2014・15年 太平洋側)

徒歩の旅 第83日 石狩市  浜益海浜公園へ

2009年06月28日 | 2008年日本海側の旅
7月2日(水) 晴のち曇 (「佐藤民宿」~石狩市・「浜益海浜公園」)



4時30分、出発。
民宿オーナーのおじいさんに夕べ教えてもらった、海沿いの近道を行き、ゆるい坂を上っていると、ミカンのごとき朝日が昇ってくる。弱い風があり、二基の風車は一基だけが回っている。


4時40分、テーブル状の海辺の丘に、玩具のような集落がある。景色が雄大なだけにいっそう小さく見える。


4時50分、海を見下ろす緑の谷間。爽やかなり。


5時、迂回してきた国道231号線に合流。
歩いている横に出勤途中らしき乗用車が止まり、「乗せて行こうか」と声をかけられる。歩き旅をしていることを説明し、お礼を言ってお断りする。
5時30分、古潭(こたん)漁港を見下ろしながら行くと、また車から声が。ドライバーの親切に心をなごませつつ。


今日の行程の約40キロは、石狩国道の「日本海オロロンライン」南部で、断崖絶壁とトンネルの連続と覚悟。
5時55分、海辺の廃屋。ここにも風雪に耐えて生きた人たちの歴史があったのだろう。『方丈記』の冒頭を思い出す。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。……世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」

 
6時20分、厚田漁港が大きく見えてくるが、まったく歩行者には会わず。朝の国道のアップダウンの繰り返しを進む。


6時35分、厚田に入る。


6時50分、厚田橋をわたり、セイコーマートで買い物。牛乳、食パン、コッペパン、菓子パン、薄焼きせんべい、イチゴジャム、レモン飴。
7時、交番前の「広域地理案内図」。痛みがはげしいのも冬の厳しさを物語るようだ。


7時05分、こちらは厚田総合センター前の「厚田道しるべ」の案内板。消えそうになっている絵と、後ろの真新しい建物との落差がおかしい。


よく見ると「第43代横綱吉葉山」の絵もあり、ラジオの相撲中継がたのしみだった子供の頃(50年前)の「四横綱時代」を懐かしく思い出す。千代の山、鏡里、吉葉山、そして栃錦だった。


7時40分、安瀬(やそすけ)に入り、厚田漁港方面を振り返る。今日も、空青く海また青し。


白い波、行く手遠くの断崖などを眺めながら、海沿いの道を行くが、相変わらす歩いている人は他に誰もいない。
8時05分、濃昼(ごきびる)山道入口の標識がある。この登山道はヒグマの心配はないのだろうか。勿論、山道ではなく国道を行く。


8時15分、いよいよトンネル地帯に突入。まず滝の沢トンネル(1242メートル)である。覆道からそのままトンネルに繋がっており、20分ほどで抜ける。


8時35分、次いで、太島内(ふとしまない)トンネル(2455メートル)。2キロ半はさすがに長く、抜けるのに35分。


9時20分に抜けた赤岩トンネル(450メートル)は、長さはさほどでもないが歩道が無く、狭くて歩きにくい。隣に新赤岩トンネルが建設中。(その後2008年11月に新赤岩トンネルが開通。赤岩トンネルは閉鎖。)


9時25分~55分、濃昼のバス停で休憩し食事。
歩き出すとすぐ、新赤岩トンネルの反対側入口の工事現場があり、ダンプカーの運転手から「どこから来たんだい」「頑張れ」と激励の声。
いったん海から離れ、濃昼川を遡行すべく高台に上って行き、迂回。
10時20分、濃昼トンネル(275メートル)へ。


10時40分、海面からだいぶ高度がある尻苗(しりなえ)トンネル(207メートル)。


トンネル入口の左は絶壁。足元低く青い海。


10時50分、短い木巻トンネル(84メートル)を通過し、


11時05分、送毛(おくりげ)地区に入る。


道路にヘビが寝ていたり、シカが突然飛び出して来たりと、


自然の濃い中を行く。


12時20分、送毛トンネル(1901メートル)を25分かけて抜ける。


12時50分、再び海から離れ、毘砂別(びしゃべつ)川を回りこんでいく。
望海橋の上から見下ろす田園地帯。


13時10分、ピンクの睡蓮が咲く池を通過する。ピンクの睡蓮がいくつも咲いているのを見たのは、たしか秋田の久保田城址のお堀だったっけ、あれから20日も歩いているのか、などと思い出しながら歩く。


池の畔には白樺が並び、絵画から抜け出たような静かな午後のひと時。


13時40分、毘砂別で道は再び海沿いを行くようになる。


今日は穏やかな午後の海。


13時45分、浜益観光協会の案内図。ここもまた枠は新しいが、絵も支柱も風雪に耐えていることをうかがわせる。


13時55分~14時25分、まだ早いので、バス停にて時間調整を兼ねて休憩、食事、および翌日以降の計画の検討。
浜益(はまます)橋をわたり、
14時40分、浜益海浜公園のキャンプ場に着く。


キャンプ場にあった案内図。あれっ、よく見ると左右が逆だ。こんな案内図がそのまま設置されているところが可笑しいが、信じたらエライことになる。


午後の強い日差しを避けて、炊事場のわきの日陰にテント設営。体を拭き、汗に濡れた衣類の洗濯。この公園にもピンクや白のハマナスが咲いている。カラスも多い。
15時20分、道路の反対側のセイコーマートで買い物。発泡酒、豚カルビ弁当、あんドーナツ、バナナ、バターピーナッツ。
明日の行程予定は、雄冬キャンプ場までの20キロ足らずで半日休養のつもり。ゆっくり出発すればよい。明後日は雨の予報だが、どうせトンネルの通過だから雨でもよかろう。「おつかれさん」と一人で乾杯。テント代無料。
 
経費  2,158円      累計  307,535円
歩数  59,201歩     累計  4,163,977歩
距離  38km        累計  2,788km

(本日の到達地点――石狩市浜益)



にほんブログ村 旅行ブログ 歩く旅へ

(途中から当ブログにこられた方は、右サイドバー「最新コメント」欄の「★はじまり★/ブログを始めました」をクリックして旅のはじめのページに飛び、最上段の「次の記事へ」から順に、日本縦断徒歩の旅をお楽しみください。--管理人より)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。