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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

技術移転のための検定基準の見直し(3回シリーズその1)

2013年03月17日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 公益財団法人国際研修協力機構(JITCO)が行っている、支援国の経済発展を担う人材育成を目的とした外国人研修・技能実習制度は、すでに17年を経過し、2010年には年間約30万人の研修生を近隣諸国から受け入れている。この制度は5省共管の合法な外国人受け入れ制度で、在留期間は最長で3年間であり、1年目は研修生として研修に従事し、2年目、3年目は実習生として実務に携わる。研修・技能実習生制度における研修生は、一昨年3月に入管法改正によって、労働法の対象となり、1年目の研修期間は労働ではないため、賃金を得ることはできないが、全期間を通じ、制度活用団体や企業に管理責任が義務づけられる。制度開始以来、報道されているとおり、様々な不祥事が発生しており、主なものとしては研修手当の不払い、実習生期間中の賃金の不払い、パスポートの取り上げ等の人権侵害、実習生の不法滞在や失踪等があり、それらの対処に苦慮しながら、現在に至っている。不正行為を根絶するために、抜本的な制度の見直しを検討中であり、管理監督を強化し、研修部分をやめて、在留 期間を5年にするという案も浮上している。

 1年間の研修が修了すると能力検定試験が実施され、試験に合格すると実習生として企業との間に雇用契約が結ばれる。つまり、在留期聞が2年間延長される。移行できる職種は63職種、116作業となっている。

 我が国では外国人労働者の受け入れは専門的な分野に限っているため、研修・技能実習制度は開発途上国等に対する技術移転のためであって、単純労働の対策ではない。求職者が増加している時期に日本人労働者が不足している職種に受け入れ機関がある構図は、職種の一部に不自然な労働力需給関係があることを暗示しており、大多数の受け入れ企業の真摯な努力や適正な実施とは別に、制度の拡大解釈や、不適正運用の結果、国内労働力不足分を外国人労働者にあてて、生産を維持するといった、企業の安易な補充策としての運用がないとはいえない。一方、研修生排出国はアジア地域、中でも中国が最大の排出国であり、研修生の中には日本での賃金を得ることが主目的で来日するものがいることも事実のようだ。(次回へ続きます)