鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

コンピテンシーをベースにした人事考課(5回シリーズその3)

2013年03月10日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 コンピテンシーの方は個人業績の最優秀者を基準として置くため、最優秀者を除き、対象者すべてがマイナス評価となる。基準に到達できない人にとっては強いプレッシャーとなり、評価する側の恣意的な判断も加わり、業務の達成感が阻害されるおそれがある。グローバルスタンダード化がもたらす影響といえば、学歴、国、職歴、等異なる人々が接触しあい、異質であることを認めて、お互いの良い面を相互に吸収しあうことによって、新たな世界を築いていこうとすることと考えるが、そのことに逆行することにはならないのか疑問が生じる。生まれや育ち、興味の範囲や専門性等が異なることによって多種多様な選択肢を生じさせ、多くの知恵や経験が、新製品の開発や事業拡大に不可欠であることはいうまでもないことである。我が国での長期雇用においては、専門性の最終決定までには異業種への出向やジョブローテーションといった、即戦力ではない、長期間の人材育成で対応してきた経緯がある。狭い職域ではない中で職務遂行要素を細分化し、標準化すればするほど、次世代への発想や創意工夫が制限され、自由な展開が萎縮されるおそれがある。

 我が国の人事考課は年功序列制の賃金システムを採用してきたため、企業に個人的な理由によって著しく損害をかけなければ賃金や昇格、昇進には、さほど影響を与えなかった。大きく影響する項目は、出勤率であることからすれば、業績評価の適応はあまり得意ではないことが伺える。近年、業績評価を導入することによって、年俸制賃金制を採用している企業も見受けられる。そこでは個人が計画した業績に到達しないと契約が破棄される場合もあり、契約が更新しても減額となる。しかし、殆どの企業では、年功序列制の賃金体系は見直されているが、すべての企業で同一職種同一賃金制とはなっておらず、大きな変容は期待できない。(次回へ続きます)