あまでうす日記

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柳田國男原作・京極夏彦文・中川学絵「えほん遠野物語やまびと」を読んで

2024-05-27 12:57:16 | Weblog

 

照る日曇る日 第2052回

 

遠野物語に「山人」の噺は多いが、これは原作の第3話と第7話を基に構成している。

 

前者は猟師佐々木嘉兵衛が白い顔をした丈高く美しい黒髪の女を猟銃で仕留め、黒髪を切り取って帰る途中、睡魔に襲われ眠っている間に丈高い山人が切り取った黒髪を奪って立ち去り、後者では山人に誘拐された娘の噺をリライトしている。

 

なお柳田國男は、この山人をいまだ絶滅せざる先住異族と考え、一般的な山男と考えた南方熊楠と激しく論争したのみならず、1934年から3年間、弟子たちと共に全国の山村調査に乗り出したが、かのニホンオオカミと同様、ついに発見するに至らなかった。

 

まっこと残念至極である。

 

    不如帰アリア果てなし十二所 蝶人

コメント
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