行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

吉岡桂子・朝日編集委員に感謝します!

2015-08-25 15:19:30 | 日記
各種原稿の締め切りが迫り、徹夜が続いている。うっかりしていて肝心なことを忘れ、大きく礼を失してしまった。

25日(日)の朝日新聞書評欄に拙著『上海36人圧死事件はなぜ起きたのか』が取り上げられた。筆者は同紙書評委員でもある吉岡桂子・編集委員である。彼女とは北京で任期が重なっているが、直接の連絡はほとんどなく、人を介して近況を聞くという関係だ。今回も本を謹呈したわけでもなく、特別な依頼をしたわけでもないが、取り上げていただいたことに深く感謝申し上げたい。

吉岡さん、ありがとうございました!

しかも、短い文章の中で過不足なく、的確に内容がまとめてあり、大いに感心した次第である。「まばゆさゆえに影が濃い」との表現も、彼女ならではのものだろう。上海だけでなく、中国全体にあてはまる形容ではないだろいうか。

簡単ながら御例まで。以下、サイトを紹介させていただきます。

(http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2015082300012.html)

惨事から見える累積する矛盾

 上海の観光名所・外灘(バンド)で新しい年を迎えようと集まった群衆が押し合いとなって転倒し、36人が圧死、49人が負傷した。発生時間は2014年12月31日午後11時35分——。
 今年元日に世界をかけめぐった惨事の記憶は、多くの人にとって中国で続く別の事件で上書きされているかもしれない。だが、著者は立ち止まり、この事件を万華鏡ののぞき穴にして、隣国に累積する矛盾を見つめ、描き出す。
 カウントダウンの映像ショーが中止されていたはずの現場に、31万人もつめかけたのはなぜか。犠牲者名簿に記された死者たちの隠された素顔に迫りながら、格差や情報統制、日本との関係、そして個人の幸せより国家の強さを重んじる習近平(シーチンピン)体制のもろさを浮かび上がらせる。天津の爆発事故とも共通する構図だ。
 新聞記者として今春まで約10年、中国に駐在していた著者の街とそこに暮らす人々に対する愛着がにじむ。まばゆさゆえに影が濃い、21世紀の上海の物語としても読める。
    ◇
 文芸春秋・1620円

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