行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

お見舞いに行って元気をもらってきた箱根路

2015-12-20 00:33:19 | 日記
17日、箱根に出かけた。懇意にしている工藤園子さんのご主人、工藤康則さんを見舞うためだ。新宿から小田原までロマンスカーで1時間。車中ではたくさんの中国人旅行者に囲まれ、自分が日本にいるのを忘れるほどだった。迎えに来くるとは聞いていたが、まさか見舞う相手のご主人が自ら車を運転して来られているのを見て驚いた。大手術後の回復は順調であることが一目瞭然で、到着するなりホッとした。

園子さんは元日本さくら女王として日本文化を海外に伝えるため八面六臂の活躍をされている。日本さくらの会も50周年を迎えた。春に向け世界での行事が目白押しだ。元商社マンの康則さんは約20年前、中国で起業し、アパレルや有機野菜などのビジネスを手掛けてこられた。現在は上海で桜も育て、中国各地に出荷している。昨年、私が編集した『日中関係は最悪なのか 政治対立化の経済発信力』(日本僑報社)にご夫妻で原稿を書いて頂いた縁がある。

お宅は箱根駅伝のゴール近く、芦ノ湖を望む林の中にある。小田原からは冬枯れの景色を眺めながらのドライブだった。紅葉時期はさぞきれいだろう。部屋の窓からの眺めは絶景である。昼から新鮮な刺身をつまみに「角」を飲み始め、気が付いたら私と康則さんで1本が瞬く間に空いてしまった。続いて康則さん特製のカキなべを頂いた。水を加えず、カキと白菜だけを入れる。豚バラも加える。ふたをして蒸すと、野菜の水分とカキのうまみがにじみ出て、格別の味わいとなる。話が尽きず、ウイスキーに変わって今度はさつま白波がどんどん進んでいった。いつの間にか術後の病人と飲んでいることを忘れてしまうほどだった。

腹が満たされると、室内のプチ温泉に招かれた。浴槽が深く掘ってあるのでゆったりしている。見舞いに来たはずが、逆にすっかりもてなされ、こちらが遊びにお邪魔した形になってしまった。以前のように上海を頻繁に行き来することは難しいが、これからは日本に来る中国人を相手したサービス業に意欲を燃やしておられた。すさまじいビジネスへの熱意である。見た目はお元気だが、傷口はまだ痛むようだ。その痛みを我慢しながら私を迎え入れてくださったのかと思うと、感謝と同時に心苦しい気がした。

西日を受けた山が黄金色に映え、やがて空を映したブルーから群青色に変わった。日が落ち、近くのバス停から家路についた。眠りから覚めると小田原駅だった。会社帰りの人たちに囲まれ電車に乗った。忘れがたい箱根路だった。

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