行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

【2019古都取材ツアー⑪】痛感した中国人の存在感

2019-05-20 19:20:53 | 日記
私たちの訪日取材ツアーにとって非常に好都合なのは、どこに行っても有能な中国人留学生がいて、通訳の人材に事欠かないことだ。第一回の九州ツアーは九州大学大学院、第二回の北海道ツアーは北海道大大学院の留学生が手伝ってくれた。今回は古都の取材で、歴史や文化に関するテーマが主となった。通訳には一定の専門的知識が求められる。学生たちは頭をひねった末、中国語のSNS、微博(ウェイボー)や微信(ウィーチャット)を通じて適任を探そうということになった。



最初に見つかったのが立命館大学博士課程の女子留学生、向静静さん。日本史を専攻し、雑誌の編集責任者も務めているという。華道にも一定の理解があり、通訳として格好の人材だ。こちらの取材テーマリストを見て強い興味を示し、快諾してくれた。おまけに同じ日本史専攻の仲間2人、張琳さん、古文英さんも紹介してくれ、力強い通訳トリオが誕生した。


(右が向静静さん、京町家再生の現場)


(右端が古文英さん、金継ぎの取材現場)


(右端が張琳さん、左端が向静静さん、旅館「柊家」で)

さらに同志社の留学生会にコンタクトし、主として令和初日の取材をお願いした。当日は計4チームに分かれたので、4人の通訳が必要だったが、商学部や文学部在籍の苗文正さん、帖誠さん、蒲東寧さん、さらには友人の京都大学医学部博士課程、陳啓昊さんが参加してくれ、力強い助っ人を得ることができた。通訳をしつつも、地元テレビ局から取材を受けるというハプニングまであった。


(中央が苗文正さん、綴織技術保存会「奏絲綴苑」で)


(蒲東寧さん、東福寺駅で)


(帰国後、学生の誕生日にビデオメッセージを送ってくれた蒲東寧さん)


(鴨川べりで学生と偶然、出くわした陳啓昊さん)


(右端が帖誠さん、河原町で京都ミスきものの荻野まどかさんと)


(関西テレビの取材を受ける苗文正さんと陳啓昊さん)

今回、通訳を引き受けてくれた中国人留学生は、事前に私の学生と十分コミュニケーションを取り、専門分野についてしっかりと予習をし、立派に任務を果たしてくれた。単純な取材だけでなく、日本人との微妙なやり取りにも配慮し、的確な仲介役をしてくれた。

一方、中国人観光客の急増で、取材対象となる企業や店舗、団体のインターネット・サイトにも中国語版が続々と誕生し、学生たちにとって貴重な情報源となっている。もっとも翻訳ソフトの進歩で、日本語サイトが容易に閲覧できるようになった点も見逃せない。中国人観光客は、時として学生たちの取材対象にもなる。実にありがたい。

日中交流の環境はかつてないほど整っている。問題は、それを上手に、有効的に活用しようとする人間がいるかどうかである。

(続)

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