行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

「新緑」チーム・・・いよいよ九州福岡へ出発

2017-03-25 11:22:06 | 日記
日本への交通の便が悪い点が、地方都市・汕頭のつらいところ。昨夜は上海で一泊し、これから上海浦東発の福岡便で出発する。4月2日まで汕頭大学新聞学院の女子学生6人を引率し、福岡・北九州で環境保護関連の取材を行う。中国で10年間を過ごした新聞記者時代は、自分は記者で、中国人スタッフが多くのお膳立てをしてくれていた。今回は私が取材をアレンジし、中国人の学生記者にそれを体験させる。役割の逆転を新鮮に感じている。

チームの名前は「新緑」である。



学生たちが取材テーマを練っていく中で、意見を出し合い、1か月以上をかけて考え出した。「新緑」は唐代の詩に出てくるが、日常会話の中ではあまり使われない。一方、日本では春になると必ず耳にする言葉だ。日中を橋渡しするネーミングとしてはぴったりだ。春の訪れを告げる澄んだ水は「緑水」と呼ばれ、新たな希望、生命の活力を象徴する。さらに「新」は「新聞(ニュース)」の「新」に通じる。「新緑(xīn lǜ シンル)」は中国語で心拍を意味する「心率」と同じ発音で、生命の根源にもかかわる、というわけだ。

初めての日本、初めての海外、という学生が大半を占める。チェックインをし、「FUKUOKA」と書かれたボーディングパスをまじまじと見つめ、携帯で写真に収める姿がある。両親や友人に送るのだろうか。第一印象がときにその人の人生に決定的な影響を刻むことがある。私も大学を卒業し、すぐに留学した北京で、いまだに忘れがたい経験をした。彼女たちにとって意義ある旅となるよう願っている。

出発までまだ時間がある。何を買うわけではないのに、はしゃいで免税店を巡っている。そんなささいなことも、旅の思い出の一つなのだろう。彼女たちの荷物番をするのも悪い気はしない。

学内の先生たちから称賛されるほどのスケジュールができあがった。大きな期待が寄せられている。福岡・北九州、ひいては熊本に住む日中の人々、政府からメディア、学者、文化人、企業家、学生、民間人にいたるまで、幅広い人々が誠心誠意対応をしてくれたおかげである。その厚情に感謝申し上げたい。

ありがとうございました!行ってきます!