片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

「レバ刺し」のリスクマネジメントは個人がすべし!

2012-04-10 20:40:58 | 社会・経済

もし、この世の中からタマゴかけご飯が禁止されたら、
どうなるでしょうか。
タマゴかけファンは、
暴動を起こす
のではないでしょうか。
食い物の恨みは恐ろしいですからね。

「レバ刺し」は、近年こそあまり食べなくなりましたが、
一時期は、よく焼き肉屋で注文して食べていました。
クセがありますが、
独特の食感や味わいがあり、
意外にファンの多い食べ物です。
「レバ刺し」を看板商品とするお店も少なくありません。
しかし、
日本では食べられなくなりそうです。

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会が、
生レバーの販売を禁止する意見をまとめました。
近く、食品衛生法に基づく規格基準をつくるとか。
なんとも
情けない話です。
これまで、
長年、平気で食べていたものを、いきなり禁止とは、
なんだか
国民を幼稚園児扱いしているような気がします。

もとはといえば、昨年4月、焼き肉チェーン店で、
「ユッケ」が原因の集団食中毒で5人が死亡した事件がきっかけです。
以後、厚労省の
自粛要請や、規制強化を受けて、
牛生肉は、ほとんどの店で食べられなくなっていました。

さらに、昨年12月、厚労省は、
150頭の牛の調査を行い、
2頭の牛の肝臓内部から「O-157」を発見
しました。
ここから一気に
「レバ刺し」の提供が「禁止」に動き出したのです。
むろん、安全に関する事柄については、しっかりと規制する必要があります。
しかし、少し危ないからといって、
「ユッケ」や「レバ刺し」まで
規制して「禁止」
し、国民の安心を図るというのは、
いささか
過保護ですし、短絡的すぎますわね。

4日の日本経済新聞の社説「『レバ刺し禁止令』の愚かしさ」
にも指摘されていましたが、
食べ物からリスクを取り除くのは難しい。
生の食肉だけでなく、生卵や、生ガキ、魚介類など、
食中毒の原因となりうる食材
は、ほかにもたくさんあります。
それらをすべて規制し始めたら、
食文化が衰退してしまうでしょう。

冷蔵庫に保存していた卵を、
生で食べるのか、焼いて食べるのか。
私は、
タマゴかけご飯が大好物です。
将来、
生だというので、禁止されるのでしょうか。心配ですな。
いまのところ、タマゴをどのように食べるか、
最終的な判断を下す権利は、個人にあります。
「レバ刺し」だって、最終的な判断は個人に託されていいでしょう。
それくらいの
リスクマネジメントは、
国民が自分の責任で行っていい
はずです。
お節介はほどほどにしてほしいですな。