スカイツリーは「モジュール化」でつくられた!?
自動車の生産では、近年、部品の「モジュール化」が進んでいます。
モジュール化とは、分かり易くいえば、集積化です。
複数の部品を統合して集積化することで、部品点数削減や、
組み立て時間の低減、ひいては生産コスト低減を図ります。
スカイツリーの建設現場でも、
「モジュール化」が行われていたといえます。
スカイツリーの部品、すなわち鉄骨が
「モジュール化」されているのです。
ご存じのように、鉄骨で構成されたスカイツリーの塔体は、
三次元的に、各鋼管を三角形に接合する「トラス構造」です。
遠くから見ると、まるで編み込まれたレースのように美しいのですが、
複雑です。組み立てるのは容易ではありません。
例えば、鋼管同士の交差角は、場所によって異なります。
もちろん、鋼管の太さも異なります。
したがって、主管に分岐管をとりつける複雑な溶接は、
すべて、建設現場より環境が安定した工場で行われました。
つまり、建設現場では、同じ径の鋼管同士を、
真っ直ぐにつなぐ溶接のみを行えば済むようにしたのです。
組み立て前に、部品である鉄骨をモジュール化することは、
建設現場での組み立てを容易にし、
建設期間短縮にもつながりました。
※鉄骨についた小さなピースもすべて工場でとりつけられた。
組立に必要な足場などの“仮設”が設置されます。
ビルならば、床や柱があるため、作業で必要な足場を確保できますが、
スカイツリーの場合、鉄骨塔体には床や、つかまる場所がありません。
作業をする足場になるデッキが必要で、
それらを、地上でつけられるものは、全部つけてしまうのです。
これも、考え方はモジュール化に似ていると思います。
製造業と建設業には、モノづくりに共通する考え方を、
たくさん見つけ出すことができます。
ちなみに、モジュール化されて現場に運び込まれた鉄骨には、
ヤードで