ちょうど1週間ほど前に、TV特番で女子バレーの特集が放送されました。見ると、お隣香川県でV.チャレンジリーグに所属して頑張っている四国エイティエイツクィーンでした。前に一度当ブログでも紹介した事がある地域密着型のクラブチームで、Vリーグではシーガルズと並んで珍しい存在です。以下、抜粋して紹介。
運営はNPO法人。高松市香川総合体育館がホームアリーナ。元全日本監督の米田一典氏で選手は9人しかいません。6人制なのに控えが3人だけです。シーガルズとは違いますね。エイティエイツは四国霊場八十八ケ所にちなんで名づけられたそうです。V.チャレンジリーグ12チーム、上位2チームが入れ替え戦出場。
9人の選手は、四国コカコーラ、JR四国、キャプテン泉州電業、、STNet、松本光春商店、ティーネットジャパン、四国電設工業、中国出身、ヴァーナル・せとうちという地元企業にそれぞれ勤務しています。シーガルズはどういう構造なのかよくわかりませんが、地元の支援企業で昼間働いているというのは、湯郷ベルと一緒ですね。親会社を持たないクラブチームはこうなるのでしょうか。
上村、高橋両選手が紹介されました。2選手ともかつてVプレミアのデンソーに所属していました。結果出せなく、あきらめかけていた時に「絶対にプレミアに行こう」って四国に誘ったのが米田監督でした。09/10シーズンは12チーム中で10位と低迷。昨年7月に本格的に始動した様子がよくわかりました。
米田監督がこのチームを立ち上げたのが今から6年前。全日本の監督やコーチを務めていた米田氏で、監督を務めていた日立が2001年に廃部してしまいました。「みんなが支援してくれる組織でチーム作りができないか?」という思いがあった。企業1社だけで運営するチームではなく、地域全体で支えられるクラブチームを作ろうと、当時知人がいた四国を訪れて実現したそうです。
米田監督の夢は、「クラブチームでプレミアリーグに昇格したい。1人でも全日本選手を輩出したい」です。「これは私の最後の仕事だと思っている」と語っています。支援企業がチームを支援する事によっていい効果が生まれている様子も紹介されていました。「会社としても『団結』っていう訳ではないが、うちの社員で頑張っているという事を分かってくると社にとってもいい機会」という支援企業社長のコメントはなかなかいいですね。
「地域に支えられているチームが力を入れている事がある」という事で、高松市中央通で選手・監督で早朝ゴミ拾いしている様子が紹介されていました。支援企業の社会貢献活動にチームとして参加したそうですが、J2岡山は最近そういう光景は見られなくなりましたねぇ。「わざわざ岡山に来ていただいた選手だから・・・」という事なのでしょうか。一流の選手ほど、選手による社会貢献活動の重要性はわかっていると思いますが。
「肌で感じるからね。みんなに支えてもらっているのは。地域貢献活動を積極的にやっていかないと、このチームの価値は半減するんじゃないかと思っている」と米田監督のコメント。その通りです。真の公共財とはそういうものではないでしょうか。他に様々なバレーボール教室を展開されています。幼稚園でもバレーにちなんだクイズやデモンストレーションを実施。少しでも競技人口が増える事を目的に、去年1年間で約60回実施したとか。たぶんシーガルズもそこまでは行っていないのでは。「うちは100回以上行っているぞ」とどこかのクラブが言いそうですが、コーチではなく選手自身が行っているからこそ価値があるのです。コーチが悪いとは言いませんが、違いはあるでしょう。
自分の世界でやるな。それがある限り、強いチームにはならない。1人1人が頑張ってくれるしかない。克服してくれるしかない。全員に足りない。本物を一つずつ作って欲しい。みんな一つ一つの技術が7割8割。これだけはというものをしっかり持ってほしい。このチームが目指しているのはチャレンジで5.6番手。1.2番にどうしたらいいか。それでこのメンバー。
と米田監督の言葉が紹介されていました。
地元小学生30人余りを対象に週1回行ってきたバレー教室。地域密着型チームでプレミア昇格を目指すもう一つの理由は「地域の子ども達のため」日本トップレベルのリーグで戦うチームが子ども達の地元にある事で、彼らにとっての目標であり、夢の場所になれると考えている。去年種まきして、今年少し上が見えたかなとも。ここで番組は終わってしまいました。
いい番組でしたね。今まではそういうチームがあるという事しかわからなかったですが、こうして映像で見るとすべてよくわかります。4月に出る事になるかもしれない入れ替え戦。仮にそこで負けたら、V.チャレンジリーグで四国さんとご対面となります。「ここでお会いするとは・・・」と思いがけない瀬戸内海ダービーにはなって欲しくないと岡山県民として思います。
<チームの歩み>
2003年 NPO法人「J-HOTバレーボール連盟」を香川県で発足。
2005年 選手をトライアウト(公募)で募り、女子バレーボールクラブチーム「エイティエイツ」設立。
2006年 実業団地域リーグ初参戦(4位)
2007年 実業団地域リーグ優勝。入れ替え戦も勝利し、V・チャレンジリーグ昇格。
2008年 V・チャレンジーグ初参戦(6位)
2009年 V・チャレンジリーグ参戦2年目(5位)。
この番組を観て思ったのが、1人の監督がクラブチームを立ち上げられるんだという事。Jリーグと比べて低予算とは思いますが、女子バレーの経験者がそんなに簡単にクラブチームを立ち上げて、国内トップリーグを狙える事ができるんだという事を強く思いました。地域密着クラブといいながら、個人のカラーが強いというのはどうなんだろうとも。監督イコール設立人という存在はいい面も悪い面もあると思います。成績が良ければいいが、余りにも悪ければどうするのか。設立人である監督の首を切れるのかと疑問に思います。まぁ総監督というポストに退くのかもしれませんが。
そういう所で、岡山シーガルズは今岐路に立っていると思います。さて、どうするのでしょうか。その点、湯郷ベルはスムーズに新監督への委譲が成功しました。
とにかく四国エイティエイツさんも頑張って欲しいですね。いつかプレミアリーグに上がって来て欲しいですね。その時にシーガルズは所属しているのでしょうか。いやしっかりいて欲しいな。
四国エイティエイツクィーン公式HP:http://www.eighty8.jp/
「監督のブログ」米田監督ブログ:http://ameblo.jp/88-yoneda/
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