事例紹介コラムです。
昨日の山陽新聞で、「来季から3部制 運営力、環境向上へ」というタイトルで、来季からのなでしこリーグの運営形態の変更について記事が出ていました。ささっと読んで終わりそうになりましたが、ん?ちょっと待てよと、もう一度読み直すと特にシャルムについて、少し思ってしまいました。以下、他で知った報道内容も交えて、抜粋して紹介。
日本女子サッカーリーグでは、来季からなでしこリーグを1部10チーム、2部10チームに再編し、東西各6チームに分かれた下部のチャレンジリーグと合わせた3部制への移行を発表。
日本女子サッカーの発展のために、今年から3年間で各クラブの運営力や選手のプレー環境の向上を図る構想の一環。2部は1部入りを目指すチームだけで構成。強化を目的にこれまで参加してきた大学や高校などはチャレンジリーグに回る見通し。
各リーグの参加条件をまとめたガイドラインは来季から施行。1部のクラブには年会費500万円、普及を含めてサッカーに専念できる選手が3人以上所属している事が義務。試合や練習時の怪我の治療費をチームが負担し、15歳以下のアカデミーチームを保有する事などのガイドラインに設定。
順位決定戦は1、2部とも行われ、1部の下位4クラブに2部の上位2チームが加わってリーグ戦を行い、成績で1、2部の入れ替えを行う案もあるとか。
今季最下位が2部に降格し、チャレンジ首位が1部に昇格する。2部のチーム構成は現チャレンジのクラブが大半の見通しで、8月以降10チームを決定。
また、今季は大会方式も変更。8月17日まで2回戦総当たりの「レギュラーシリーズ」を実施した後、1~6位が優勝を争う上位リーグ、7~10位が残留を目指す下位リーグに分かれ、8月30日から「エキサイティングシリーズ」を実施し、上位リーグは11月24日に終了。
まずは来季からの3部制への移行ですが、「強化を目的にこれまで参加してきた大学や高校などはチャレンジリーグに回る見通し」というのが気になります。ガイドラインを観ると、いわゆる「プロ」選手が3人以上の所属、アカデミーチームの保有などが設定項目にあるようですが、現在のシャルムはどうなんだろうと思うと、まずは学生さんだからプロ選手はいない。連携?関係の高校はあっても、ユース以下のアカデミーチームはないはず。これが1部に条件だから厳しいのではないかと。
今後の動向をよく観なければいけませんが、現在のクラブ組織では1部は難しいように見えます。前に当ブログでも触れた事がありますが、1部所属を意識するなら「市民クラブ化」という話が出てくるのではないかと思います。ちなみに、1部・2部現在で「大学」「高校」のチームは以下のとおり。
1部(なでしこリーグ) : FC吉備国際大シャルム
2部(チャレンジリーグ): 常盤木学園高等学校、日本体育大学女子サッカー部、静岡産業大学磐田ボニータ
そして、今季からのプレーオフ制度。当ブログでは「2ステージ制騒動」で散々勉強していますが、このスタイルはいわゆる「スプリット制」です。ベルギーリーグ等が採用している制度。以前の記事でよく引用した「サッカー批評 2ステージに未来はあるのか」特集号を引っ張り出しました。(まだちゃんと持っています) その中で各ポストシーズン制のメリットとデメリットが出ています。その中のスプリット制の部分を観てみましょう。
この号ではベルギーリーグが紹介されています。7月下旬から3月上旬まで16チームによるH&Aのレギュラーリーグを実施。その順位によってプレーオフ1、2、3に割り振られる。プレーオフ1(上位6チーム)はCLやEL出場権を争い、プレーオフ2(中位8チーム)は勝者はプレーオフ1の4位チームとEL出場権を争い、プレーオフ3については、下位2チームが5試合を戦い、負けたら2部降格、勝っても2部の2~4位と入れ替えプレーオフを実施。
プレーオフ1は盛り上がるが、2と3は悲惨な状況とか。プレーオフ2の存在意義を良く問われるそうです。しかし、レギュラーリーグの首位が優勝できない可能性があるという事、トップチームはレギュラーリーグを調整の場に使っている事から、多くのサポーターが反対しているそうです。
今シーズンのなでしこリーグですが、ベルギーリーグと同じ事になれば、決勝リーグの上位6チームと下位4チームとに分かれてそれぞれに総当たりで戦う「エキサイティングシリーズ」で7から10位で争う下位リーグは悲惨な状況になるという事に。さて、シーズン終了後にどういう事になっているのでしょうか。
また、今日のニュースで「浦和横断幕禁止 全カテゴリーに適用 レディース、ユースなど」という事で、浦和レディースの試合でも横断幕が禁止されました。「これはJリーグの話、なでしこやユースは関係ないのではないか」と個人的に思いました。確かに差別発言は良くないと思いますが、女子や子ども達まで連座責任を迫るという事は、Jリーグと元々ファン・サポーターと開いた距離が、今度は女子やユース等の親御さんとも開いてしまうのではないかと思いました。
J1浦和公式HP該当ページ:アドレス
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