リスペクト(事例紹介)コラムです。
今シーズンは終わり、オリジナル10の名古屋さんがJ2降格しましたが、もう1つ来年同じ道をたどるのではないかと個人的に思ってるところがあります。それはマリノスさんです。今季もいろいろと騒動があり、先日も中澤選手との契約でごたつきました。企業チームとは昔からこういうものかもしれません。その典型が千葉さん。経営サイドが一体化していないから、クラブとして力を発揮できず、いつまで経っても冷や飯暮らし。いつしか「千葉化」という言葉も出ています。そして、マリノスさんが外国資本を受け入れましたが、徐々に同じような雰囲気になってきました。そんな中、神奈川新聞にマリノスさんの内情を示すコラムが登場しました。以下、抜粋して紹介。
【マリノスの何がやばいのかー サポーターの憂鬱と、希望:カナロコ(神奈川新聞)】
J1横浜F・マリノスが揺れている。ベテランに対する契約更新の不手際、長年クラブを支えたスタッフの解雇に始まり、モンバエルツ監督の3期目続投に選手が公然と反対する異常事態。当事者はもちろん、クラブを長年愛するサポーターも気が気ではなく、その背景にはマリノス特有の歴史故の現実が原因。
〔確信犯〕
11月のホーム戦に「ベテランを引退させるのはフロントではなく、若手の台頭」という横断幕が出現。ベテラン選手へのクラブの対応についてのサポーターの意思表示。若手だけではなく選手、ファン、フロント、メディアなど、読む人自身にその意味を考えて欲しいという意図で、ある面では確信的に2010年の故松田選手の移籍の時の記憶に重なるようにしたとか。本質的な問題は2010とは別物だが、その時よりもまずい状況にあると思っているのが理由。
〔深い溝〕
マリノスがマンチェスターシティを傘下に持つ、「CFG(シティー・フットボール・グループ)」と提携して2年半。契約更改をCFG側の強化担当が主導するなど、関与は徐々に強まる傾向。その中で起きた選手・監督の契約に関する種々のトラブルの伏線となる出来事が少し前に発生。
11月に、小林選手の放出が発表。サポーターからの支持も厚い主力選手だったが「新陳代謝」「若返り」というチーム戦略上の理由が一応は見えたが、功労者の戦力外に憤るサポーターは多かった。その後、中澤、栗原両選手に年俸半減が提示。その後、クラブは慌ててすぐに契約の再提示を約束し、クラブ側は公式サイトに社長名で「ファン、サポーターの皆様へ」とメッセージを発表し、騒動を鎮静化。
故松田選手の時が思い出され、 サポーターに共通するクラブへの根強い「不信感」が存在。その反応の中にも、繰り返しを心配する不信感と、不信感があるからこそCFGに変えてほしいという反応。選手・クラブのマスコミに対する対応など、ファンの中でも考えは様々。そもそもマリノスは看板選手を送り出すのが下手、まともに花道を用意できたのは木村和司くらいという考え方もあり、サポーターは敏感な反応。
クラブが重ねてきた歩み、味わってきた苦しみ、プライドを今のフロントがどれほど理解してくれているか。その心配はつまるところ、CFGという新たな血が流れ込むクラブの体制そのものに向けられていく。
〔アイデンティティ〕
CFGがもたらした最もわかりやすい変化は、モンバエルツ監督の招聘。欧州に張り巡らされたネットワークを活かして選ばれたフランス人監督は、'15年(1年目)は7位、今季は'04年以降で最低の10位と低迷。11月に来季の続投が発表されると、一部の選手を中心に猛反発の反応。クラブ社長が急きょ説明会を開く事態になり、選手側から溜まっていた不満が噴出。
「サッカーとしても会社としても方針が決まっていない。結局すべてが緩くて、10位という結果も選手個人の力でやり切れただけ」と選手のコメント。
「サッカーの質そのものに疑問を呈する選手に賛同。アイデンティティが忘れ去られようとしている。マリノスのアイデンティティは堅守。今季は得点も失点も増えた。攻めだけでなく、守備力をネガティブに捉えすぎている。その意味で、中澤選手のような存在がマリノスの象徴。移籍して欲しくない。'04年の連覇も堅守を貫いてPK戦で勝った。その堅守で築いてきたプライドが薄れているのではないか。結局2年経って戦術は斉藤選手頼み。監督は就任当初こそ縦に速く展開するサッカーを指向していたが、その後ぶれていった。サッカー自体に不安感が強く、これで堅守が無くなればすがるものが無くなる。どういうサッカーで、どこを目指すのか語って欲しい。フロント、CFG、監督からビジョンが見えてこない。サポーターは道しるべを聞きたい」と古参サポのコメント。
〔夢とビジョンを〕
マリノスはすでに12年も無冠で何らかの変化が必要。Jリーグ初の外国資本で、英メガクラブを持つCFGとの提携は歓迎。どんな組織であっても一定の産みの苦しみ、変革に伴う痛みは不可避。だが提携から2年半が経過したこの時期に浮上したのはフロントと現場の溝。選手の監督への不信任であり、構築してきた歴史の軽視という負の側面ばかり。これを上回る希望(有望選手の獲得やクラブの明確なビジョン)が見えればいいが、そうでない現状が不安を深めている。
古参サポは「クラブの一番の目的は存続。夢とビジョンが見えれば安心できる」とコメント。ファン・サポーターがクラブの現状に不安を感じている事を、フロントはもう少しシリアスに考えた方がいい。最後の最後までクラブを支えているのは彼らだからと締めくくっています。
ちょっとまとめるのが下手な感じになりましたが、要旨はわかってもらえると思います。マリノスさんはちゃんとサポカンをやっているのでしょうか。クラブが独りよがりに走っていては、いい事になりません。ベテラン選手の退出方法は、下からの突き上げによる出場機会の減少が一番いいと思います。出場機会を求めて、自ら移籍を考えるでしょうから。マリノスさんは監督が選手サイドから信頼されていないのが致命傷ですね。きちんと信頼の置ける監督を招聘し、出場数など誰もが納得する指標で評価すれば、ファン・サポーターも納得するのではないでしょうか。
まあ、よそのクラブの事なのでよくわからないし、語りにくい面もありますが、ようはファン・サポーターを軽視してはいけないという事なのかな。外国資本に限らず、企業チームはこういう事が生まれそうな気がします。ただ、市民チームも「親企業の無い市民チーム」であれば同様なのかもしれません。中にはやっと最近第1回目のサポカンをやったところや、ファン・サポーターへの情報発信義務である公式SNSを未だに実施していないところもある訳ですから、と個人的には思います。サポーターファーストなのか、自分達ファーストなのか、読者の皆さんの地元クラブはいかがでしょうか。マリノスさん、1年後に「やっぱJ2に来られるのですね」と口にしなくていいように、頑張って欲しいと思います。
カナロコ(神奈川新聞)該当記事:http://www.kanaloco.jp/article/216839
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