┌───今日の注目の人───────────────────────┐
「社長が幹部に不信感を抱く5つの行動」
染谷和巳(アイウィル社長)
『致知』2013年2月号 特集「修身」より
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どこの企業も社長が一番頭を悩ませるのが、幹部の質です。
先日お会いした社長がこぼしていましたが、課長が
「景気が悪いけれど、皆も生活があるから、
ボーナスはこのくらい出してくれなきゃかわいそうだ」と、
部下の代表みたいに訴えてきたと。
「おまえがそんなことを俺に言ってきてどうする。
本来はおまえが従業員を指導する立場じゃない」
と怒ったらしいですが、まあ、嘆いていました(笑)。
社長の分身となることが幹部の最低条件であるにもかかわらず、
それが分かっていないんです。
幹部たるもの、景気が悪くて会社が危機的な時は
部下に「ボーナスは減っても一・五倍働け」と
指導するべきところ、優しくていい人はそれが言えないんです。
下に言えないで、
「社長、一・五倍はかわいそうだから、
一・二倍にしてください」なんて言ってくる。
幹部会議をすると、社長の意見に反対するのはいいんだけど、
その内容が幼稚で泣きたくなるって言うんですね。
「社長、もっと目標を上げましょう」
という意見なら大歓迎だけど、大体、人手がない、
時間がないと言って、
「無理です、できません」となる。
結局「二十%が無理なら、五%は確実に頼むよ」と社長が妥協して、
「本当にうちの幹部は程度が低い」という嘆きに繋がる。
【朝倉:幹部は経営者と運命共同体ですから、
同じ方向を向いて歩んでいかなければならないのに、
一人は右、もう一人は左、別な人はこのまま行きましょうでは、
会社は伸びていけない。
一般的に社長が本気で会社をよくしよう、
成長しようという時に邪魔をするのは、
古くからいる幹部だといわれます】
事実その通りで、小さい組織の時、
一緒に汗水流して働いてきた人たちは功労者だから
部長とか取締役の肩書を与えられているけれども、
「社長、ここまで来たんだから、いまのままでいいじゃないか」
と言うようになる。
そういう幹部に腹を立て、「あいつをクビにする!」
という社長も多いんですよ。
だけど私は、「社長、待ってください」と。
「あの幹部をクビにすると、下の人たちは
“うちの会社は三十年も会社に貢献してきた取締役も
邪魔になればクビになるのか。
俺もいつ切られるか分からない”と影響が出ますよ」と。
かといって主要なポジションに置いておくと
下の若手に悪い影響を与えるから、
とにかく切らずに若い人に影響のないポストに
置くことが最善策じゃないですか。
そのあたり、会社が大きくなると
経営者が頭を悩ませるところです。
* *
経営者が幹部に意識のズレを感じて不信感を抱くのは、
大きくは次の五つなんです。
一、陰で社長を批判しているのが耳に入る
一、報告せず指示を勝手に変える
一、失敗を隠す
一、労働者意識を感じる
一、業績不振など、いざという時に逃げる
これに関しては、私も失敗した経験があります。
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