交野市立第3中学校 卒業生のブログ

中高年の

皆さ~ん  お元気ですか~?

室町時代、京の地で創業し、500年近い歴史を刻んできた和菓子の虎屋。

2013-01-06 19:52:24 | 商い

虎屋社長の黒川光博氏と、裏千家前家元の千玄室の
 対談記事の一部を紹介します。


┌───今日の注目記事───────────────────────┐

      「虎屋」に代々伝わる儀式と掟書

          黒川光博(虎屋社長)
          『致知』2013年1月号 特集「不易流行」より

└─────────────────────────────────┘

私自身は父からこれをせよ、あれをせよと言われたことは
特にありませんでした。

しかし元気だったのが、がんが発覚してから
ほんの半年後に亡くなり、平成3(1991)年の
四十七歳の時に跡を継ぐことになりました

私ども虎屋には代が替わり、新しい当主が
事業を引き継いだ時に必ず行う儀式があるんです。

京都の店には福徳、富貴の神様である
毘沙門天(びしゃもんてん)が祀ってあるのですが、
普段は厨子(ずし)の奥に封印され、扉が閉められてある。
その中に当主が一人で入り、お像を拝むんです。


【千】 ほお、それは興味深いですね。


お像の前に立って三、四十分間対峙していますと、
いろいろな思いが胸を去来します。

お客様に対する責任、従業員やその家族に対する責任、
何千人という人たちのことを
これから考えていかなければいけないと感じたり。

では自分は何をやるかと考えましたが、何も書かれたものがなく、
これをしてはいけないという決まりもない。

だから後のことはおまえに任せるぞ。
おまえがこの時代を背負っていくのだから、
自分の責任でやっていけばいいと、
そのお像は言っているのではないかと私は解釈したんです。


【千】 なるほど。その儀式によって父祖伝来の精神と
    いうものが注入されていくのでしょうね。

    その他にも代々残されてきた教えのようなものはありますか。


一番分かりやすく現代的なのが「掟書(おきてがき)」というもので、
これは九代目光利が1805年につくったものです。

それを見ますと


「倹約を第一に心がけ、
 良い提案があれば各自文書にして提案すること」




「お客様が世間の噂話をしても、こちらからはしない。
 また、子供や女性のお使いであっても、
 丁寧に応対して冗談は言わぬこと」


など、現代にも通用するようなことがいろいろ書いてある。

この掟書は、もともと天正年間(1573~1592)に
書かれたものを、九代目が書き改めたのです。

いまから四百年以上前に書かれたものに九代目が共感し、
それが現代にも通用することを考えると、
ものの真理や商売の心得はいつの時代も変わらないのだなと思います。


【千】 そういう資料というものは、いろいろな面においての
    手解きにもなるでしょうね。


そうですね。ただ、変えてはいけないものがある一方で、
変えていかなければいけないものもあると思います。

虎屋のように古くからある店は味も不変だろうと
多くの方がおっしゃるんですが
私は味に不変ということはないだろうと思うんです。

やはりその時代時代に合った味というものがあるのではないかと。

例えば戦後、甘いものが不足している中でお感じになる甘さと、
現代のように和洋菓子が豊富にある中での甘さというのは少し違う。
和菓子の味は、時代によって変えていかなければならないと私は思います。
 
 
 



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