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ノーコード開発ツール導入上の留意点

2024-05-28 12:00:00 | 23期生のブログリレー

皆さま、こんにちは、稼プロ!23期生の佐野紳也です。

最近、kintoneを目にすることが多くなりました。昨年のサイボウズ株式会社のIRをみると、2023年12月末におけるkintoneの契約者数は32,800社、前年比19.3%増とのことです。好調であることがうかがえます。

また、豊川悦司さんが扮する「自らつくれる喜びを噛みしめる文系の部長」のCMなどの効果もあってか、認知度も31%まで高まっています(冒頭画像は、Copilotが生成した「ノーコード開発ツールで自ら業務アプリをつくれることに喜びを噛みしめる豊川悦司さんのような50代の営業部長」の画像です)。

さて、kintoneなどは一般にノーコード開発ツールと呼ばれ、プログラマーでない人が直感的な操作でアプリケーションを開発できるツールです。クラウドサービスであることが多いです。オンプレミス(自社でサーバーを保有・運用する形態)のノーコード開発ツールもありますが、ここでは、主流のクラウドサービスを念頭において検討します。

ノーコード開発ツールのメリットとしては、以下があげられます。

  1. ソースコードの記述が不要で、直感的な操作で、プログラムを開発することが可能です。しかも基本的にはWebブラウザ上で完結するものが多く、インストールなど面倒でない点もよいと思います。
  2. 開発スピードが早いことです。自分のアイデアをシステム化したいとき、外部に依頼した場合、数週間以上かかることが、数時間でできてしまうこともあります。使い勝手が悪い場合、すぐに修正も可能です。
  3. コストも比較的安く、顧客管理システムの業務アプリケーションを導入した場合に比べ1/10程度ですんだという事例も報告されています。

ただ、一方で、デメリットもあります。

  1. プログラマーでなくても開発できるとはいえ、最低限のIT知識が必要です。ノーコード開発ツールに導入失敗例の理由をみると、使い方がわからなかったという理由が最も多くなっています。
  2. 予めできる機能が決まっており、自由度が低いため、複雑な業務、使いやすい画面を作ること難しい。
  3. 他のシステムと連携をとるのが難しいため、手作業が発生し、誤りが起こる可能性があります。
  4. クラウドのプラットフォームに依存しているため、プラットフォームが利用できなくなった場合、業務がストップしてしまう可能があります。
  5. アプリを自由に作れるため、似たようなアプリが乱立してしま可能性があります。

IT人材が不足するなか、DXをすすめるには迅速なシステム開発が必要です。そのためには、ノーコード開発は有効と考えられます。ただ、①導入のための教育を行い、専任担当者を置くこと、②アプリ開発に関するルールを決め、乱立を避けること、③データの一元化を図るため既存システムとの連携を図ること、④信頼できる事業者のプラットフォームを利用すること、などへの留意も必要と思われます。

コメント (5)
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